「お茶を吸う」という体験から見えた新しい日本文化のかたち。「OCHILL(オチル)」を通して作りたい世界とは<前編>

今や、じわじわと若者を中心に人気が高まっている「シーシャ」。

ここにお茶という文脈を加え、新しい「お茶の楽しみ方」を提案しようと奮闘する若者3人がいます。

OCHILL(オチル)には、彼らが大事にする哲学がつまっており、ただ「お茶を吸う」という体験を提供するプロダクトにとどまりません。

今回は、開発者3人に、OCHILL(オチル)を立ち上げた経緯や、OCHILL(オチル)を通して作りたい世界について伺いました。

表現者として何ができるか。自分なりの表現や届け方を考えたら、それが「お店をすること」だったんです


photo by sakaguchi koji

――まず、今までやってきた仕事や「いわしくらぶ」創業までのストーリーを教えてください。

磯川さん:僕は北海道の北見市出身で、高校を中退してから東京の「読書のすすめ」という本屋で丁稚奉公をしました。

ちいさな本屋でしたが、有名な経営者も足を運ぶ場所で、そこで経営のイロハを学びました。

大きなきっかけは、2011年に起きた東日本大震災です。

もし、同じような災害が地元でおきたら大切な友達や家族と会えるかなと、ふと思って。

当時は震災や原発に関していろいろな意見が飛び交っていて、なにが本当かわからない不安がありました。

当時は、役者を目指して東京に行こうと思っていて、芸能界やメディアに興味があったのですが、役者が本当に自分のやりたいことではないと思うようになってしまって……。

表現者として今の自分だったら何ができるか。自分なりの表現や届け方を考えたら、それが「お店をすること」だったんです。

田舎ってね、意外と近隣との交流がないんですよ。「街ですれ違う人は皆知り合い」は都会の人が持っているイメージですから。

――確かにそういうイメージを持っていました…。

磯川さん:北見市は12万人ほどの小さな街ですけど、それでも地域のつながりは希薄で。

だったら、みんなが「たまれる場所」を作ろうということで、2012年に「いわしくらぶ」ができました。

当初は、くんせいと珈琲をテーマにしたコミュニティカフェで、いきつけのカフェを金・土だけ間借りする形で営業していました。

――「いわしくらぶ」って、非常に印象に残る名前ですが、どういうきっかけで付けられたのでしょう?

磯川さん:オダギリジョーさんが所属する鈍牛倶楽部(どんぎゅうくらぶ)みたいに、「くらぶ」は店名に入れたいと決めていて。

あるときテレビをつけたら「イワシの大量発生」というニュースが流れていて、直感的に「いわし」をつけたんです(笑)。

よくよく考えてみると、いわしは”魚へんに弱い”と書くし、自分の弱い視点、弱い部分を出せる場所ってやさしくていいよねとなって、それで「いわしくらぶ」という名前に決まりました。

シーシャを介すると、どんな人とでも「フラット」になれる。


photo by sakaguchi koji

――シーシャをカフェに置き始めたきっかけは?

磯川さん:友達に下北沢のシーシャカフェに一緒に行こうと誘われたのがシーシャとの最初の出会いです。実は昔、東京がものすごく嫌いだったんです(笑)

中卒だったから、東京がオシャレでキラキラしているように見えて、いる人も全員優秀に見えたんです。

その下北沢のシーシャカフェは、隣の人と肩が密着するくらい近くて、それで自然と話すようになって。

それでシーシャを吸いながら話してみたら、めちゃくちゃフラットだったんです。

やっと東京に溶け込めたな、と。東京の人を肯定できた瞬間でしたね。

「シーシャを介すると、どんな人とでも、フラットになれる。」北見にもこれは必要だし、街に自分が溶けれる場所を作りたいと思ってシーシャを置き始めたら、予想以上に人が来るようになりました。

――予想以上の反響だったんですね!そのころ世間では、シーシャはどんなイメージでしたか?

磯川さん:そのころは、脱法ハーブが流行っていて、「シーシャ?怪しいハーブみたいなやつ?」と、かなりイメージが悪かったです……。

とはいえ、年齢問わずさまざまな人が来てくれて、わずか2年で人気店になりました。

金・土曜だけだと混むようになったので、物件を借りて、2014年からは独立店舗として運営するようになりました。

――シーシャには、害があるとか暗い場所で吸うみたいなマイナスなイメージがあるのですが、実際はどうなんでしょう?

磯川さん:タールはないですが、微量にニコチンが含まれているので、害が全くないとはいい切れませんが、紙たばこよりはライトといわれています。

今開発中の「OCHILL(オチル)」は、フレーバーもベース100%茶葉のノンニコチン・ノンタール、いわゆる「吸うお茶」です。

また、シーシャ発祥の地である中東では、カフェや家のベンチでシーシャを吸う光景が日常になっています。

宗教上、イスラム教の人はお酒が飲めないので、温かいティーとシーシャで過ごすことが多いです。日本でいう縁側でお茶を飲む感覚に近いかな。

文化的には明るいのですが、それがヨーロッパやアメリカに渡り、クラブでお酒と一緒に提供されることが増えたから、アングラで怖いイメージになってしまったのだと思います。


photo by sakaguchi koji

――ベース(※下のボトル部分のこと)には、美濃加茂茶の一番煎茶を使用。お湯だと十分に煙が出ないので、ベースに氷を入れて冷やす。


photo by sakaguchi koji

――さきほど入れたお茶の出がらしを使い、ちょっとした手間(ここは企業秘密)をかけて、フレーバーを作る。これが100%茶葉、ノンタール・ノンニコチンの「吸うお茶」の原料となる。

後編に続く

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俵谷龍佑
大手広告代理店でリスティング広告運用に従事。その後独立。WEBライター/ディレクター。HR・地方創生をメインに、旅・グルメといったジャンルで活動中。2021年から京都⇔東京の二拠点生活を開始。
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