2026年6月4日、JA鹿児島県経済連は、2026年産の鹿児島県産一番茶の取引価格が大幅に上昇したと発表しました。
同発表によると、煎茶を中心とする「本茶」の平均取引価格は1キログラム当たり5,228円となり、前年の2,564円から2倍以上に上昇。1975年以降で最高額を記録しました。また、抹茶の原料となる「てん茶」の平均価格も1万3,910円となり、前年の6,013円から約2.3倍に高騰しています。
さらに、これに先立つ2026年5月14日に開催されたてん茶の取引会では、世界的な抹茶需要の拡大を背景に、てん茶の取引価格が前年の約2倍に達したことも報じられました。
煎茶・抹茶ともに価格が急騰
本茶だけでなく、番茶や粉茶向けの「出物」、そして抹茶原料であるてん茶など、ほぼすべての茶種で価格上昇が確認されました。特にてん茶は1キログラム当たり1万3,910円と高値を付け、市場全体をけん引する存在となっています。
今回の価格上昇は、生産者にとっては収益改善の追い風となる可能性があります。一方で、原料価格の高騰は飲料メーカーや販売事業者の仕入れコスト増加にもつながります。
実際に茶業界では、原料高を背景とした価格改定の動きも広がっており、今後はペットボトル飲料や茶葉製品の価格にも影響が及ぶ可能性があります。
また、世界的な抹茶人気によって輸出拡大の機会が広がる一方、生産現場では人手不足や燃料費高騰への対応も課題として挙げられています。
抹茶ブームの影で、煎茶不足が新たな課題に
従来の日本茶市場では、煎茶が生産・消費の中心でした。しかし、近年は海外での日本食人気や健康志向の高まりを背景に抹茶需要が急拡大しています。輸出市場やインバウンド需要が伸びたことで、てん茶の需要が急増していました。
その結果、生産者の間では煎茶向け茶園からてん茶向けへの転換が進み、相対的に煎茶の供給量が減少。需給の引き締まりが煎茶価格の上昇にもつながっています。
まとめ
世界的な抹茶ブームを背景に、茶葉の価格は歴史的な高騰を迎えています。特に抹茶原料であるてん茶の需要拡大は、茶業界の構造そのものを変えつつあり、煎茶価格の上昇にも波及しています。
生産者にとっては収益向上の機会となる一方、供給体制の整備や人材確保、価格上昇による消費への影響など、新たな課題への対応も求められています。今後は、世界市場で高まる抹茶需要を取り込みながら、茶産業をどのように持続可能な形にしていくかが問われそうです。
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