お茶の雑学雑学

壺切茶(壺切り茶)とは?壺の中でじっくり熟成された、深い旨みの秋のお茶

壺切茶お茶の雑学

新茶といえば、みずみずしい香りと甘みが人気です。この新茶を壺の中に入れて熟成させ、味に深みをもたせて楽しむ方法があるのをご存じでしょうか?このユニークなお茶は壺切茶とよばれ、お茶好きな方にとって年に1度の楽しみになっています。

本記事では、秋に楽しむ「壺切茶」を解説します。

壺切茶(壺切り茶)とはどんなお茶?

壺切茶 とは

壺切茶(壺切り茶)とは、春に摘んだ新茶を壺の中に入れて置いておき、数ヶ月後に取り出して飲むお茶です。

具体的には、八十八夜とよばれる毎年5月1日頃に摘み取った新茶を、一度荒茶に仕上げてから壺の中に入れ、壺の口を紙などで密封してから冷暗所に置きます。冷暗所に置かれた壺は、そのまま夏の数ヶ月間を過ごし、秋になると壺から取り出されて流通します。

八十八夜はお茶の最盛期ともいわれる時期で、この頃に摘み取られる新茶はやわらかく甘いのでとても美味しいです。この新茶を壺の中に入れて夏の間置いておくことで、茶葉はじっくり熟成され、秋に取り出される頃には丸みのある芳醇な味わいに変化しています。

ちなみに壺切茶になるのは煎茶だけではなく、抹茶や玉露、ほうじ茶、玄米茶などさまざまです。なかでも抹茶の壺切茶は、毎年11月に行われる「口切りの茶事」という茶道の行事で楽しまれます。

壺切茶(壺切り茶)を飲める「口切りの茶事」とは?

壺切茶 口切りの茶事

口切りの茶事(くちきりのちゃじ/さじ)とは、毎年11月の立冬(りっとう)の頃に行われる茶道の行事です。

この時期はちょうど炉開き(ろびらき)とよばれる茶道の行事があり、それに合わせて口切りの茶事も行なわれます。炉開きとは、その年初めて炉(ろ)という湯沸かし用の囲炉裏に火を入れることです。

口切りの茶事では、その年の春に壺に入れておいた壺切茶を開封し、中に入っている茶葉を石臼で挽いて抹茶にしていただきます。密封された壺の口を開封することを、口切り(くちきり)といいます。

口切りの茶事も炉開きも、茶道において1年の始まりを意味し、「茶人の正月(お茶の正月)」とよばれるほどおめでたい行事です。

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壺切茶(壺切り茶)の製造プロセス

壺切茶 製造

壺切茶の製造プロセスを簡単に解説します。

まず、5月1日頃に摘み取られた新茶の茶葉を、荒茶(あらちゃ)に加工します。荒茶とは、生の茶葉をいったん長期保存できるように加工したお茶のこと。生の茶葉を蒸気で加熱してからよく揉み、乾燥させます。こうすることで茶葉内の水分量が減り、茶葉が長持ちするようになります。

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荒茶にした茶葉を、陶磁器製の壺の中に詰めていきます。まずは安価の茶葉を壺の中に詰め、さらにそのすき間に、高価な茶葉を紙袋などに詰めてから入れます。

茶葉を詰めたら、壺の口を和紙で覆い、さらに上から口覆(くちおおい)とよばれる美しい模様の布を被せます。口覆が外れないように、壺の首部分を紐で縛ります。これで壺茶の準備は完了です。

あとは封をした壺ごと、冷暗所に保管します。

壺切茶(壺切り茶)の特徴

壺切茶 特徴

壺切茶は壺の中で熟成されるからこそ、独特な風味が生まれます。壺切茶の特徴をいくつか解説します。

円熟したまろやかな味わい

壺切茶の味の特徴は、円熟した丸みのある味わいです。

壺切茶は新茶を壺に入れて数ヶ月間熟成させます。新茶はみずみずしくフレッシュな味わいですが、壺の中で熟成されることで角がとれ、次第に芳醇な味わいに変化していきます。壺の中で時間をかけてじっくり熟成されていく様子は、ワインにも似ています。

強いコクと旨み

熟成されたことでコクや旨みも強くなり、濃厚な味わいも楽しめます。

程良い渋みや苦み

壺切茶は熟成されていくなかでまろやかさが増しますが、煎茶だとほんのり渋みも残ります。主張しすぎないほのかな渋みは、強い甘みの良いアクセントになります。

壺切茶(壺切り茶)の味や香りについて

壺切茶 味

Xから、壺切茶を飲んだ方の味の感想をいくつかご紹介します。

壺切茶の深い味わいは格別で、毎年秋になると販売されるのを楽しみにしている方も多いようですね。まろやかな甘みのなかに程良い渋みを感じることもあり、壺切茶ならではの絶妙な美味しさが人気です。

壺切茶(壺切り茶)の淹れ方

壺切茶 淹れ方

壺切茶の淹れ方や飲み方は、基本的には一般的なお茶と同じ方法でOKです。

急須に茶葉を入れたら、煎茶であれば70度ほどのお湯、ほうじ茶や玄米茶なら95~100度ほどのお湯を注ぎ、30秒~1分ほど浸出させます。あとは最後の一滴まで、湯呑みに注げばOKです。

山年園で販売している日本茶について

山年園では、日常使いに便利な煎茶や、特別なときにおすすめの玉露や抹茶、香ばしくすっきりした味わいが魅力のほうじ茶など、さまざまな日本茶を販売しています。シチュエーションや気分に合わせて、お好みの日本茶をぜひお楽しみください。

やぶ北茶

やぶ北茶
商品名煎茶 やぶ北茶
商品区分飲料
内容量【一袋あたり】100g(5g×20パック)
原材料名茶葉
原産地静岡県
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約12ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言老舗のお茶屋が販売する煎茶です。
他店のお茶と比べてみてください(^-^)

やぶ北茶の購入はこちら

玉露茶

玉露
商品名玉露茶
商品区分食品・飲料
内容量100g
原材料名緑茶
原産地京都府宇治市
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約12ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言高級な京都宇治市の玉露茶です。
老舗のお茶屋がこだわり抜いた玉露茶を是非お試しください(^-^)/

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ほうじ茶SUGABOW

ほうじ茶 SUGABOW

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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