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日本茶のブランド価値向上へ。業界横断の「日本茶GI推進委員会」が発足、持続可能な茶産業を目指す

日本茶GI推進委員会ニュース

2026年10月21日、日本茶GI推進委員会は、東京都内で「日本茶の未来をつくる発表会~日本茶を、世界へ。未来へ。~」を開催しました。

発表会では、日本茶のブランド価値向上やGI(地理的表示)保護制度の普及、持続可能な茶産業の実現に向けた方針を発表。

同委員会は、国内の茶産地や生産者を支えながら、日本茶の国内外における認知度と価値を高めることを目指しています。世界的な抹茶ブームによって日本茶の需要が拡大する一方、国内の生産基盤の維持や海外産の模倣品対策が課題となるなか、業界全体で連携して取り組みを進める考えです。

日本茶GI推進委員会とは?

日本茶GI推進委員会は、日本茶および日本茶GIの普及・利用促進を目的として、2026年8月27日に設立された組織です。

日本茶業中央会をはじめ、全国茶生産団体連合会、全国茶商工業協同組合連合会、日本茶輸出組合などの業界団体や、伊藤園、サントリービバレッジ&フード、三井農林などの茶関連企業が参加しています。

生産・流通・輸出・産地団体・茶関連企業といった幅広い関係者が連携し、日本茶のブランド価値向上と茶産業全体の振興を目指しています。

同委員会の設立に先立つ2026年7月10日には、農林水産省が「日本茶」を地理的表示(GI)保護制度に登録しました。全国を生産地とする農産品としては初めての登録です。

また、同年5月5日には、一般社団法人 International Matcha Association(IMA)が国内主要茶商社38社とともに「抹茶市場の健全性と持続的発展に関する緊急共同声明」を発出しました。

日本茶業界が持続的成長に向けた新たな一歩。抹茶市場の健全化と「日本茶」ナショナルGI登録を推進
2026年5月5日、一般社団法人 International Matcha Association(IMA)は、国内主要茶商社38社とともに「抹茶市場の健全性と持続的発展に関する緊急共同声明」を発出しました。 「抹茶市場の健全性と持続的発 ...

日本茶のブランド保護と生産基盤の強化を目指す

今回の発表会では、日本茶GIの普及と日本茶産業の持続的な発展に向けた「日本茶未来宣言2026」が発表されました。

宣言では、以下の4つの方針が示されています。

・日本茶GIの価値を、社会へ広げる
・生産者とともに、持続可能な日本茶産業を育てる
・世界へ、日本茶ブランドを発信する
・幅広い世代へ、日本茶文化をつなぐ

今回の取り組みで特徴的なのは、日本茶のブランド保護だけでなく、生産者の支援や国内外への情報発信まで、業界全体で取り組もうとしている点です。

背景には、世界的な抹茶ブームによる日本茶需要の拡大があります。

日本貿易振興機構(JETRO)の資料によると、2025年の日本茶(緑茶)の輸出額は前年比約2倍の721億円となりました。さらに、2026年1〜8月の輸出額も前年同期比約1.8倍の674億円に達しており、海外市場での需要拡大が続いています。

一方、国内では茶農家の高齢化や後継者不足、栽培面積の減少などが課題となっています。農林水産省の資料によると、茶の栽培面積は2008年の4万8,000ヘクタールから2025年には3万3,000ヘクタールに減少しました。

海外需要が拡大する一方で、国内の生産基盤が縮小している状況です。今後も日本茶の需要に応えていくためには、ブランド価値を高めるだけでなく、安定して茶葉を生産・供給できる体制を整える必要があります。

こうした課題に対して、今回の発表会では、生産者や行政、輸出・プロモーション関係者などによるパネルディスカッションも実施されました。日本茶の需要拡大を国内の産地に還元し、持続的な産業の成長につなげるための方策について議論が交わされています。

GI保護制度によって日本茶の模倣品対策を強化

今回の取り組みを理解するうえで重要なのが、GI(地理的表示)保護制度です。

GI保護制度とは、地域の自然環境や伝統的な製法など、産地と結び付いた品質や社会的評価を持つ農林水産物・食品の名称を、知的財産として保護する制度です。

これまでGI保護制度は、特定の地域を生産地とする農産物や食品を中心に活用されてきましたが、今回登録された「日本茶」は、生産地を日本全国とする初めての農産品です。

登録対象となる日本茶は、日本産の茶葉を原料とし、日本国内で加工された茶です。登録された産品には専用のGIマークを表示でき、消費者が正規の日本茶を識別するための目印として活用できます。

また、GI登録によって、登録された名称の不正使用などに対して国による取り締まりが可能になります。

背景には、海外市場で日本茶や日本の産地を連想させる名称・表示を使用した模倣品が流通している問題があります。例えば、海外で外国産の茶葉が日本の産地を想起させる名称で販売されるなど、日本茶のブランドや知的財産を守ることが課題となっていました。

日本茶を全国規模のGIとして登録したことで、特定の産地だけでなく、日本茶全体のブランド価値を保護し、海外産との差別化を図ることが期待されます。

なお、2026年10月16日時点で、日本茶GIの利用申請は72件に達しており、発売予定の商品を含めると対象商品は約500品に上っています。

今後はGIマークの認知度を高め、国内外の消費者に日本茶の品質や産地の価値を伝えていくことも重要になります。

まとめ

今回、日本茶GI推進委員会が発表した取り組みは、GI保護制度を活用した日本茶のブランド価値向上に加え、国内の生産基盤の維持・強化や海外市場への情報発信など、茶産業全体の持続的な発展を目指すものです。

世界的な抹茶ブームによって日本茶への関心が高まる一方、国内では生産者の高齢化や後継者不足、栽培面積の減少といった課題が残されています。

今後、GIマークの普及によって、どれほど日本茶の価値が国内外で正しく認識され、消費の拡大や生産者への利益還元につながるかが注目されます。

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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