お茶の産地雑学

加賀茶とはどんなお茶?気になるカフェインや淹れ方について【香り豊かなほうじ茶】

加賀茶お茶の産地

のどぐろなど新鮮な海の幸や風味豊かな加賀野菜など、美味しいものの宝庫である石川県。その石川県では美味しいお茶も生産されており、豊かな香りが人気です。

今回は、石川県が誇るお茶、「加賀茶」をご紹介します。

加賀茶とは?

加賀 お茶

加賀茶とは、石川県で作られるお茶の総称です。ただし「加賀茶」という名で流通しているお茶はあまりなく、加賀茶といえば基本的には加賀棒茶(かがぼうちゃ)を指します。

加賀茶といえば、加賀棒茶(かがぼうちゃ)

加賀茶 加賀棒茶

前述のとおり、加賀茶とはほとんどの場合が加賀棒茶のことです。「加賀棒茶」という名称は、2020年に石川県茶商工業協同組合に商標登録されました。

加賀棒茶とは、チャノキの茶葉ではなく茎の部分だけを焙煎したほうじ茶です。このように茎だけを使ったお茶は、棒茶(ぼうちゃ)や茎茶(くきちゃ)とよばれます。

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茎だけを使うことですっきりした飲み口になり、さらに焙じることでやわらかな香ばしさや甘みが生まれます。また、一般的なほうじ茶は成長した2番茶や3番茶を使いますが、加賀棒茶は1番茶の茎を使うことが多く、甘みや香りが強いです。

良い香りがありながらあっさりした後味なので、和菓子など甘いお菓子や、こってりした味付けの料理などにもよく合います。

加賀棒茶と加賀ほうじ茶の違い

加賀茶には、加賀ほうじ茶とよばれるお茶もあります。

加賀ほうじ茶と加賀棒茶、どちらも石川県で作られるほうじ茶ですが、加賀ほうじ茶は茶葉、加賀棒茶は茎だけを使っています。ただし、石川県ではほうじ茶といえば加賀棒茶と認識されていることも多いので、メーカーによっては加賀棒茶のことを加賀ほうじ茶とよぶこともあるようです。

加賀茶の特徴

加賀茶

加賀茶(加賀棒茶)の特徴は、何といっても香りの良さです。詳しくは後述しますが、加賀茶(加賀棒茶)にはピラジンやゲラニオールといった香気成分が多く含まれており、独特な良い香りを生み出します。焙煎したからこそ生まれるスモーキーな香ばしさもあります。

水色は、一般的なほうじ茶に比べて薄めの色です。

加賀茶の栄養成分

加賀茶 カフェイン

加賀茶(加賀棒茶)に含まれる栄養成分をいくつか解説します。

ピラジン

加賀棒茶には、ピラジンという香気成分が多く含まれています。ピラジンは、焼いた肉や焙煎したコーヒーなどにも含まれる香りで、独特の香ばしさを生み出します。

ピラジンはほうじ茶にも多く含まれており、さらに茶葉よりも茎部分に多く含まれます。よって、茶葉だけのほうじ茶よりも、茎だけの加賀棒茶のほうがより強い香りがするのです。

ゲラニオール・リナロール

ゲラニオール・リナロールともに、花から抽出される香気成分です。ゲラニオールはバラやゼラニウム、リナロールはラベンダーなどに含まれています。

ゲラニオール・リナロールともにほうじ茶に含まれる成分ですが、茶葉のほうじ茶よりも、茎だけのほうじ茶のほうが多く含まれます。加賀棒茶の香りの良さは、前述のピラジンだけではなく、このゲラニオール・リナロールも要因となっているのです。

テアニン

加賀棒茶などの茎茶は、茶葉だけのお茶に比べてテアニンも豊富です。

テアニンはアミノ酸の1つで、お茶の甘みや旨みを作り出す成分です。テアニンがたっぷり入った加賀棒茶は、まろやかな旨みが強く、飲みやすいお茶といえます。

カフェイン

加賀棒茶はカフェインも含んでいます。

一般的な茶葉のほうじ茶は、煎茶や烏龍茶と同じくらいのカフェインが含まれているようです。しかし茎は茶葉よりもカフェイン含有量が少ないので、茎だけを使った加賀棒茶は、一般的なほうじ茶よりはカフェインが少ないといわれています。

カフェイン含有量が少ないとはいえ、含まれることに変わりはないので、妊娠中や授乳中の方は飲み過ぎには気を付けましょう。お子様や赤ちゃん(生後半年以上が目安)でも飲めるとされていますが、その場合は通常の2倍以上に薄めて、飲みやすい温度に冷ましてから与えるようにしてください。

加賀茶の味について

加賀茶 味

Xより、加賀茶を実際に飲んだ方の味や香りの感想を、いくつか抜粋してご紹介します。

加賀茶(加賀棒茶)を飲むと、特有の香ばしさや、優しい甘みを感じる方が多いようですね。強い香りや甘みがありながら、飲み口はすっきりしていて、さまざまなお料理やお菓子に合いそうです。

加賀茶の美味しい淹れ方

加賀茶 淹れ方

加賀茶(加賀棒茶)の美味しい淹れ方を、ホット・アイスそれぞれで解説します。

ホット

加賀茶(加賀棒茶)などの茎茶やほうじ茶は、熱湯で淹れることで香ばしさが引き立ちます。急須に加賀茶の茶葉(茎)を大さじ2杯ほど入れて熱湯を注ぎ、30秒ほどサッと浸出させます。

やかんで煮出す場合は、やかんにたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら一度火を止めてから加賀茶の茶葉を入れます。やかんに蓋をして火を止めたまま置き、粗熱を取ります。

アイス

ポットにたっぷりの水と、大さじ4杯ほどの加賀茶の茶葉を入れます。ホットよりも茶葉の量を増やすのがポイントです。あとはポットごと冷蔵庫に入れ、数時間~一晩冷やせば完成です。

前述のやかんで煮出したお茶を常温で置いておき粗熱を取り、そのあとポットに移して冷蔵庫で冷やしてもアイスティーになります。

加賀茶のおすすめアレンジレシピ

加賀茶(加賀棒茶)の焙煎した香ばしさには、牛乳がよく合います。ぜひ牛乳を入れてミルクティーにしてみてください。牛乳の代わりに豆乳を使っても、まろやかで美味しいですよ。甘みが足りないと感じる方は、砂糖も入れましょう。

他にも、はちみつを加えるアレンジもおすすめです。

山年園で販売中のおすすめの茎茶

山年園で販売している『ほうじ茶 SUGABOW』は、高品質で知られる宇治の玉露の茎茶です。

茎部分を鉄窯で強火で炒ることで、茎の表面はこんがり香ばしく、芯はさわやかなお茶本来の香りが残るほうじ茶になります。ほうじ茶の香りをしっかり感じたい方におすすめの一品です。

ほうじ茶SUGABOW

ほうじ茶 SUGABOW

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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