お茶の雑学雑学

「書院の茶」と「草庵の茶」の違いは?書院茶室で行われる貴族たちの嗜み

書院の茶お茶の雑学

茶の湯のスタイルには、「書院の茶」と「草庵の茶」という2つの種類があります。2つは同じ茶の湯の様式でありながら、まったく異なる特徴をもっています。

本記事では、書院(しょいん)の茶をご紹介します。

書院(しょいん)の茶とは?

書院茶室

書院(しょいん)の茶とは、書院造(しょいんづくり)の茶室で行われる茶の湯(お茶会)のことです。室町時代頃に当時の中国から日本に伝わってきた文化で、そのため中国の茶道具や掛け軸など華やかなものが使われました。このような中国の茶道具などは唐物とよばれます。

書院造と書院茶室(書院風茶室)について

書院造とは、座敷に、床・棚・付書院(つけしょいん)などが付いた部屋です。書院造の茶室は、書院茶室(書院風茶室)とよばれます。

書院造は室町時代に誕生した建築様式で、もともとは武士が接客するための客間として作られました。座敷(畳を敷き詰めた部屋)に、床の間や付書院、違棚(ちがいだな)などが設けられています。付書院とは床の間の脇にある開口部で、棚板があり、上にものを置くことができます。違棚とは、2枚の棚板を段違いに取り付けたものです。

このように、書院造にはものを置いて飾る棚が多かったことがわかります。その棚などに唐物を飾り、華やかな空間で贅沢にお茶を楽しむのが書院の茶でした。

茶の湯の歴史と成り立ち

書院の茶 茶の湯

そもそも茶の湯はどのように日本に広まったのでしょうか。

まず、お茶が中国から日本に伝わってきたのは、平安時代の805年といわれています。この年、弘法大師の空海が唐(現在の中国)からお茶の種子を持ち帰り、日本に植えました。

そのあと一度は衰退したお茶文化でしたが、鎌倉時代に栄西(えいさい/ようさい)という禅僧が宗(現在の中国)から再度お茶の種子を日本に持ち帰り植えたことで、流れが変わります。栄西はお茶の育て方や効果を説く専門書を執筆し、それらのおかげでやっと日本でもお茶文化が広まり始めます。

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そして室町時代になると、書院の茶が始まりました。武士が住む家などに書院造の茶室が作られるようになり、豪華なお茶会が開かれていたようです。

書院の茶は、次第に「草庵の茶」という新しいスタイルに移行していきました。草庵の茶は別名「わび茶」ともよばれ、村田珠光(むらたじゅこう)という茶人によって生み出されました。これが現在の茶の湯の原型になったともいわれます。

そのあと安土桃山時代に、草庵の茶(わび茶)は村田の何代かあとの弟子である、千利休によって確立されました。これが日本における茶の湯確立までの流れです。

書院の茶と草庵(そうあん)の茶の違い

書院の茶 草庵の茶

前述のとおり、茶の湯のスタイルには、書院の茶と草庵の茶の2つがあります。

書院造の茶室(書院茶室)で行われ、華美な道具などが使われる書院の茶に対して、草庵の茶は小さくシンプルな草庵茶室(そうあんちゃしつ)で行われ、装飾はほとんどなく、使う道具も質素です。

草庵の茶は、別名わび茶ともよばれます。わび茶について次に解説します。

草庵の茶=わび茶について

わび茶(草庵の茶)とは、茶の湯の様式の1つで、村田珠光によって生み出されました。

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村田が大切にしたわび茶の基礎は、質素なもののなかに趣や美を見いだすことでした。

前述のとおり、それまで茶の湯で主流だった書院の茶では、唐物などきらびやかで豪華な道具や着物、茶室などが使われていました。

一方わび茶(草庵の茶)では、地味でシンプルなものが使われるようになりました。草庵茶室は土壁や竹など質素な素材を使って作られており、部屋もとても狭いです。この最低限の空間のなかで、飾り気のない道具でお茶を楽しみ、おもてなしを大切にすることこそ、村田が目指した茶の湯のスタイルといえます。

村田が生み出したわび茶は、孫弟子の武野紹鴎(たけのじょうおう)、さらに武野の弟子の千利休に受け継がれ、最終的に千利休が確立させたといわれています。

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山年園で販売している抹茶について

書院の茶から草庵の茶へ、茶の湯のスタイルは変化してきました。どちらのスタイルでも大切にされた、お茶を使ったおもてなしの心は、現代までしっかりと受け継がれています。

山年園では、茶の湯ではもちろん、普段ご自宅でもお楽しみいただける香り高い抹茶を取り揃えております。程良い苦みとまろやかな甘みは、そのまま抹茶として点てるだけではなく、お菓子作りや料理の味付けにもおすすめです。

抹茶 恵
商品名有機抹茶
商品区分食品・飲料
内容量50g
原材料名有機抹茶(国産)
賞味期限製造日より約6ヶ月
保存方法高温多湿を避け、移り香にご注意ください。
使用上の注意抹茶は鮮度が大切です。開封後はお早めにお飲みください。
加工者株式会社 カネ七 畠山製茶
京都市伏見区向島橋詰町786
販売者有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言程よい苦味が、焼き菓子などのスイーツやラテにマッチします。
老舗のお茶屋がこだわり抜いた抹茶を是非ご賞味ください(^-^)/

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抹茶 さみどり

抹茶 さみどり
商品名抹茶 さみどり
商品区分食品・飲料
内容量2g×12P
原材料名抹茶(国産)
原産地日本産
使用方法
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法冷暗所に保存してください
賞味期限製造日より約5ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする最高級なお抹茶です(^-^)

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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