日本独自の茶の湯文化の礎を築いたのは、鎌倉時代の禅僧・栄西(えいさい)禅師といわれています。中国・宋から茶の種子を持ち帰り、日本に喫茶の習慣を広めた栄西は、単なる文化の伝播者ではなく、茶の効能を説き、健康や精神修養にも役立つものとして広めました。本記事では、栄西の生い立ちやお茶との関わりや彼が日本の茶文化に与えた影響について詳しく解説します。
栄西(栄西禅師)とはどんな人物?
栄西とは、平安時代~鎌倉時代の僧侶で、臨済宗(りんざいしゅう)の開祖として知られています。京都最古の禅寺である建仁寺(けんにんじ)を開山した人物でもあります。フルネームは明菴栄西。
栄西は禅を学ぶために宗(現在の中国)に渡り、禅の文化を深く学んだのち、日本に持ち帰って布教しました。
その際に、禅文化の1つであったお茶の文化に深く感銘を受け、中国で入手したお茶の種を日本に持ち帰り、日本の土地に埋めて育てました。このため栄西は、茶祖(ちゃそ)とよばれることもあります。
栄西の読み方について
栄西の読み方は、「えいさい」と「ようさい」の2つがあります。「えいさい」のほうが一般的なようですが、建仁寺などでは「ようさい」とよぶようです。
フルネームの明菴栄西の「明菴」も、「みょうあん」「みんなん」といった読み方があります。
栄西(栄西禅師)と明恵上人(みょうえしょうにん)の関係について
栄西とお茶の歴史を語るうえで外せないのが、明恵上人(みょうえしょうにん)という人物です。
明恵上人は鎌倉時代の僧侶で、禅を学ぶために栄西のもとを訪れました。その際に、栄西より禅の教えだけでなく、お茶の栽培方法や効果効能などについても教えを受けました。
さらに栄西は、自分が宗から持ち帰ったお茶の種を漢柿蔕茶壺(あやのかきへたちゃつぼ)という茶入(ちゃいれ)に入れて明恵上人に送りました。
明恵上人はこの種を、京都の高山寺のある栂尾(とがのお)周辺に植えてお茶の栽培を始めたといわれています。
栂尾エリアの気候や土壌は美味しいお茶栽培に適しており、このあたりで作られたお茶は栂尾茶(とがのおちゃ)として広まりました。その味や香りなど、品質の高さに定評があったといわれています。
そのあと、明恵上人は栂尾茶を京都の宇治に移植して育てました。その際、宇治の人々にもお茶の栽培方法を伝授して、宇治茶を確立させたといわれています。
明恵上人については、以下の関連記事もチェックしてください。

栄西(栄西禅師)とお茶の歴史
茶祖ともよばれる栄西は、日本のお茶の成り立ちと切っても切り離せない重要な人物です。栄西とお茶の関わりをいくつかご紹介します。
日本初のお茶の栽培を始めた
栄西のお茶に関する大きな功績といえば、やはり日本にお茶の文化を持ち込み、国内で初めてお茶の栽培を始めたことでしょう。
前述のとおり、栄西は禅修行のために訪れた宗でお茶文化に出会い、お茶の種を日本に持ち帰って栽培を始めました。栽培だけではなく、お茶の製造方法や効果効能など、お茶の知識も広めていきました。
禅宗の茶礼(されい)も広めた
栄西が日本に持ち帰り広めたお茶文化のなかには、茶礼(されい)もありました。
茶礼とは、今なお禅寺で行われているお茶の儀礼で、1つのやかんや釜で淹れたお茶を僧侶皆で分け合って飲むというもの。
朝の座禅や食事後や就寝前など、1日に何度も分けて行われます。座禅や食事の直後などはどうしても眠気が強くなってしまうもの。そこでカフェインを多く含む日本茶を飲むことで、眠気覚ましの意味もあるそうです。
また、1つのやかんや釜から淹れたお茶を皆で分けることにも大きな意味が込められています。禅の教えでは和合(わごう)という大切な考え方があります。和合とは、人がお互いに相手を思いやり、親しみ合うこと。1つのお茶を一緒に飲むことで、禅の修行をする者同士、切磋琢磨して一緒に頑張っていこうという意味もあるようです。
ちなみに茶礼の文化は、茶の湯の原型ともいわれています。1つの釜から淹れたお茶を複数人で一緒に味わい、親しみを深める茶の湯は、まさに茶礼の精神を受け継いでいるといえるでしょう。
「喫茶養生記」を作り、お茶の知識を広めた
「喫茶養生記(きっさようじょうき)」とは、栄西が書いた日本初のお茶の専門書です。栄西が宗で学んだお茶の知識が詰め込まれています。
喫茶(お茶を飲むこと)による効能効果を記した医学書でもあり、本書の冒頭でも『茶は養生の仙薬なり』と書かれています。そこから、当時のお茶は単なる飲み物というよりは体調を整える薬のような役割であったことがわかります。さらにお茶の栽培方法や製法なども書かれています。
山年園で販売している抹茶について
栄西が日本で広めたお茶文化は、明恵上人に受け継がれ、宇治茶から抹茶へと発展していきました。山年園ではオリジナルの抹茶をたくさん展開しています。
『抹茶 八女の結』は、福岡県産の八女茶を使用した香り高い抹茶です。甘くまろやかな味わいを楽しめます。
また、『朝比奈 抹茶』は、静岡県の玉露の名産地、朝比奈で作られました。渋みや苦みが少なく、飲みやすい抹茶です。
八女の結
商品名 | 抹茶 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 30g |
原材料名 | 緑茶(福岡県産) |
賞味期限 | 製造日より約1年 |
保存方法 | 高温多湿を避け、移り香にご注意ください。 |
使用上の注意 | お茶は鮮度が大切です。開封後はお早めにお飲みください。 |
加工者 | 株式会社 吉田園 福岡県八女市黒木町本分1159-5 |
販売者 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 緑茶の産地 八女の抹茶です。最高級の甘み、香りが堪能できます。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた抹茶を是非ご賞味ください(^-^)/ |
朝比奈 抹茶
商品名 | 抹茶 朝比奈 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 100g |
原材料名 | 緑茶(抹茶) |
原産地 | 日本産 静岡県朝比奈村 |
使用方法 | お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。 少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約8ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする高級な朝比奈のお抹茶です(^-^) |


最新記事 by 塩原大輝(しおばらたいき) (全て見る)
- 茶道のお点前(てまえ)とは?基本的な手順について【裏千家や表千家など】 - 2025年1月31日
- チャイラテとは?チャイとの違いやおすすめのアレンジレシピについて - 2025年1月29日
- 棗(なつめ)とはどんな茶道具?大棗などの種類や使い方についても解説 - 2025年1月29日