頴娃茶は旧頴娃町(現南九州市)で生産されていたお茶です。
平成29年に川辺茶とともに知覧茶へと名称統一されたものの、頴娃産の知覧茶として区別して語られることも少なくありません。
本記事では、頴娃茶の起源や特徴などについて解説します。
頴娃茶とは?
頴娃(えい)茶とは、鹿児島県の南部にあった旧頴娃町(現南九州市)で生産されたお茶です。
頴娃町は、平成19年12月に隣接する知覧町(ちらんちょう)・川辺町(かわなべちょう)と合併し、今は南九州市になっています。
頴娃茶のほとんどは深蒸し茶です。一般的な煎茶の約2倍の時間をかけてじっくり茶葉を蒸すことで、濃く美しい緑色の水色になります。苦みや渋みが少なく、甘くてまろやかなコクがあり飲みやすいのが特徴です。しっかりした旨味も魅力です。
関連記事:深蒸し茶とは|煎茶との違いって?味や香りを楽しむおいしい入れ方
頴娃茶の起源
頴娃茶の起源は1836年(天保7年)まで遡ります。この頃、小磯與八と小磯助五郎、山下市左ヱ門らがお茶の種を持ち帰り、旧頴娃町新牧地区の小和塚にまいたのが始まりといわれています。
頴娃茶をはじめ、鹿児島県で積極的に茶業が発展したのは昭和40年頃からのようです。静岡県や京都府など、他の茶産地と比較すると新しいです。
頴娃茶の産地
頴娃茶の産地は、鹿児島県南九州市。南九州市に統合される前は頴娃町でした。
南九州市の日本茶の生産面積と生産量は、市町村別で日本1位です。令和3年の南九州市の荒茶生産量は13,337トンで、県内シェア率の半分を占めます。
薩摩半島の南側に位置する南九州市は、日本百名山の1つである開聞岳(かいもんだけ)と、広々とした茶畑が見渡せる景色が美しい場所です。
海と山に囲まれた丘陵地で、標高が高く寒暖差もあり霧が多いのが特徴です。豊かな霧は紫外線から茶葉を守り、お茶の旨味成分の生成を促進するといわれています。
さらに南太平洋から湿った温かい風も流れ込むため、おいしいお茶を作るには抜群の環境です。
南九州市の頴娃町にある大野岳(おおのだけ)神社では、毎年新茶まつりが行われています。新茶の茶摘み前に頴娃茶の茶農家が集まり、その年の新茶の豊作や、頴娃町の茶業を発展させた先人たちを称えます。
頴娃茶と知覧茶の違いについて
知覧茶(ちらんちゃ)とは、鹿児島県の南九州市で生産されるお茶の総称で、頴娃茶は知覧茶の1つです。
前述のとおり、平成19年12月に知覧町と川辺町、頴娃町の3つの町が合併しました。その際にそれぞれの特産である知覧茶、川辺茶、頴娃茶の3つも、平成29年4月に南九州市の茶銘柄の「知覧茶」に名称統一されました。
知覧茶は茶品評会で産地賞や農林水産大臣賞なども受賞しており、甘みが強くまろやかな味わいが広く評価されています。
関連記事:知覧茶の特徴|深蒸し茶で有名なブランド茶。値段や入れ方についても
頴娃茶に副作用はある?
頴娃茶をはじめ、日本茶にはカフェインを多く含んでいます。そのため、妊娠中や授乳中の方はあまり飲みすぎないように注意しましょう。
英国食品基準庁(FSA)では、妊娠中の方のカフェイン摂取量を、1日あたり200mgまでと定めています。
またカナダ保健省 (HC)が定めた子どものカフェイン摂取量に関しては、4~6歳の子どもで1日あたり45mg以下です。
赤ちゃんが日本茶を飲んで良い推奨時期は明確に定められていませんが、なるべく、カフェイン含有量の少ない番茶やほうじ茶を飲むことを推奨します。
頴娃茶の味
頴娃茶を飲んだ方の意見の一部を、Twitterよりご紹介します。
頴娃茶は苦味が強くなく飲みやすくて前から好きなんですが彼の声を想起するようになったことでさらに飲む機会が増えるかもしれません😎Eyyy
いまは商品名が頴娃茶じゃなくて知覧茶に名称統合されてるらしいので産地:頴娃という表記になるみたいです— 伊東必瑞🖋ItoHituzui (@ItoHituzui) April 27, 2022
そうなんですよ。ブランド力を強めるか何かで、南九州市のお茶が「知覧茶」表記となったような記憶があります。僕が出会った頴娃茶はどれも気持ちの良い苦味があります。
— しきそきひと(2頭目) (@TokihitoSoki2) April 2, 2022
稲盛アカ: かごしま茶試飲会3日目!: 今日もたくさんの人が来てくれました(^∇^)
今日は頴娃茶、知覧茶の飲みくらべもしました!
頴娃茶は深みのある味で
知覧茶は甘みがあると感じる人が多か… http://t.co/lxB67zoN5m #kadai #鹿大— 鹿児島大学情報Bot【非公式】 (@kadai_bot) July 3, 2013
頴娃茶の多くが深蒸し茶です。深蒸し茶は時間をかけてじっくり茶葉を蒸すため、苦みが少なく、旨味やコクを強く感じられる方が多いようですね。
頴娃茶の入れ方
頴娃茶を入れるときは、急須に約5g(茶さじ1杯分)の茶葉を入れ、70度ほどのお湯を注ぎます。100度の熱湯を注ぐと、カテキンが多く抽出されて苦みが出てしまうため、注意してください。
1分~1分半ほど浸出したら、お湯呑み茶碗に回し注ぎしましょう。
山年園が提供する頴娃茶の関連製品について
山年園でもオリジナルの頴娃茶を販売しております。
当店限定の「揖宿 頴娃(いぶすき えいちゃ)」は、契約している篤農家(とくのうか)の厳重な茶園管理のもとに作られた頴娃茶です。
茶葉本来の風味を活かすため、茶葉のブレンドはしていません。鹿児島の豊かな自然の恵みを受けた、強い香りと味を、ぜひご家庭でもお楽しみください。
商品名 | 煎茶 |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 100g |
原材料名 | 茶 |
保存方法 | 高温・多湿を避け移り香にご注意ください。 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 当店でも非常に人気な日本茶です(^-^)/ |
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