インタビュー

巣鴨で70年愛される茶舗「山年園」のこだわりとは?〜流行りを追わず「本当に良い商品」を売り続ける〜

インタビュー

今回は、山年園ブログ取材記事第一弾ということで、山年園の代表取締役社長であります塩原大輝さんに、山年園の歴史や今後の展望、商品のこだわりについてお聞きしました。

70年間、巣鴨の地で愛され続けている茶舗

 

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――本日はよろしくお願いします。最初に、山年園の歴史を教えてください。

塩原さん
塩原さん

こちらこそよろしくお願いします!

 

山年園が創業したのは今から約70年前の1950年になります。

祖父(母親の父)の代から始まりました。当時は、主に日本茶、急須や茶器、健康食品・健康茶(生姜湯、どくだみ茶など)を販売していました。

 

その後、昭和63年9月に法人化しました。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――70年も歴史があるんですね……。驚きです!なぜ巣鴨を創業の地に選んだのですか?

塩原さん
塩原さん

祖父からは特に何も聞いておりませんが、シンプルに、巣鴨に家があったからというのが理由だと思います。

 

今は倉庫になっていますが、1号店の上の部分と奥のスペースは元々は家だったんです。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――そうなんですね。巣鴨だと他にもお茶屋さんがいくつかあると思いますが、当店の強みはどこにあると思いますか?

塩原さん
塩原さん

強みは大きく2つあって、1つは健康茶・健康食品の種類が豊富なところですね。

 

巣鴨エリアにとどまらず、他でもここまで数を扱っているお茶屋さんはないと思います。もう1つが通販サイトに力をいれているところですね。

ありがたいことに、今は実店舗よりも通販サイトが主力になっています。

 

ネット広告やSNS、ブログをあわせて本格的に運用しているお茶屋さんはなかなかいないと思います(笑)

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――確かに聞いたことがないですね。ちなみに、健康茶はいつ頃から販売するようになったのですか?

塩原さん
塩原さん

健康茶は、僕が入社する前から扱っていました。当初は、どくだみ茶、たまねぎの皮、ごぼう茶といった定番のものしか置いてませんでした。

 

僕が山年園に関わって2年目、今から5年前くらいから健康茶・健康食品の品数を増やしていきました。

流行りではなく「本当に良い商品かどうか」が大事

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――健康茶の品数を増やしたという話でしたが、「健康ブーム」を先読みし、健康茶や健康食品を取り扱うようになったのですか?

塩原さん
塩原さん

全く先読みしてないですね。僕はなんでもやってみるタイプなので。

 

あ!ここで一つ記事になりそうな良い小話があるんですが、ちょっと話しても良いですか?(笑)

 

 

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――ぜひ聞かせてください!記事にさせていただきます(笑)

塩原さん
塩原さん

今バカ売れしている菊芋は、通販でインクを販売している先輩から、菊芋を取り扱っている人を紹介してもらい、それがキッカケで卸すようになったんです。

 

最初お会いした時は名刺交換だけで、菊芋は扱わなかったんですね。その後、先輩にその話をしたら「扱わないのは自由だけど、菊芋は売れると思うよ」といわれたんです。

 

理由を聞いてみたら「あれは本当に良い商品だから。今売れなくてもいつか絶対に売れるよ」と。

 

その先輩の言葉を信じて、半信半疑で菊芋を取り扱ってみたら、それが昨年菊芋がテレビで特集されるようになって現実化したんです。売れた時は本当に「良い商品はいつか売れる」ということを実感しましたね。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――良い話ですね。流行りではなく「本当に良い商品かどうか」が大事ってことですね。

塩原さん
塩原さん

そうですね。テレビでよく特集されているからといって、売れ続けるとは限らないんですよ。テレビでやっていなくても、売れるものはいつか売れます。商品力が本当に大事です。

 

これは、ブログや通販のコンテンツにも通ずることなんですが、正直、検索キーワードとか検索順位はあまり気にしていません。大切なのは、本当にお客さんにとって良いものかどうか。

 

本当に良いものであればいずれ上位にあがってくるものと考えています。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――なるほど。記事を書く身からすると、とても耳が痛いお話です…。お茶や関連商品を作るにあたってのこだわりはありますか?

塩原さん
塩原さん

「本当に良いものを扱う」がまず基本。さらにいえば「美味しいものを扱う」ことですね。

 

基本的に、商品の中身を売っていくことを重要視しているので、逆にパッケージデザインはそこまでこだわってないですね。

 

全くこだわらないってことはないんですけど、あくまで優先順位は低めです。あと、とにかく手軽に買ってもらいたいという思いがあるので、高値にならないようにしています。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――大切にしているモットーやポリシーはありますか?

塩原さん
塩原さん

そうですね。健康茶や健康食品を販売している身でもあるので、「健康を害するものはしない」というのは徹底していますね。

これは先輩の社長から教えてもらった教訓です。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――確かに。不健康だったら説得力にかけてしまいますね。今健康で、日々意識されていることがあれば、教えてください。

塩原さん
塩原さん

「タバコを吸わない」「スポーツをする」「深酒をしない」「よく寝る」ですね。とにかく、絶好調のままで長生きをしたいって思っています。

商品作りにお客さんやスタッフの声を反映し、活かす

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――山年園では、「ブラウンテフ」や「カシスパウダー」など、他では見ないニッチな健康食品も扱っていますが、どのように見つけていますか?

塩原さん
塩原さん

機会があれば、「ギフトショー」などの展示会に行って情報収集もしますが、スタッフが面白い商品を見つけてくることが多いですね。

 

スタッフの声を聞き、仕入れようと努力することは常に意識しています。僕は商品の目利きができないと思っていて。しかし、それがまた良いところでもあると思っています。

 

目利きができないから、変なこだわりもないし、だからスタッフやお客さんの声を大切にし取り入れるようにしています。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――このエリアはご高齢の方が多いと思います。接客にあたって、何か心がけていることはありますか?

塩原さん
塩原さん

高齢の方の目線に立ち、少ししゃがんで接客をすること。大きく分かりやすい言葉でハキハキと話すことですね。話をするのが好きな方が多いので、聞いてあげることも大事です。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――基本的なことですが、大事なことばかりですね。話は変わりますが、山年園で出されている商品についいくつかお伺いします。まずは定番商品について教えて下さい。

塩原さん
塩原さん

定番商品は、参拝茶、お茶漬け、菊芋、玉ねぎの皮、れんこん粉ですね。最近は、きくらげ粉末、舞茸茶がよく売れています。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――「参拝茶」とはどういうお茶ですか?

塩原さん
塩原さん

掛川の深蒸し茶で、茎がたくさん入っているのが特徴です。

他の1000円くらいの高級なお茶に負けないくらい安くて美味しいと評判です。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――もう一つの人気商品「お茶漬け」についても教えてください。

塩原さん
塩原さん

家でも高級なお茶づけが味わえるというのがウリなので、ギフトとして購入されることが多いですね。そういうこともあり、「あげた人にとても喜ばれた。」という口コミが多いです。

 

あと、このお茶漬けは「常温保存できる」「だしが無添加」「具材の種類」がウリで、特に無添加だしを使っている製品はうち以外はほとんどないと思いますね。

 

あと具材の種類も、もうすぐ16種類から20種類に増えます。具材20種扱っているところはおそらく当店だけかと。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――お茶漬けで20種類ってもはや専門店にも迫る数ですね!続いて、通販の話に移りますが、御社は2001年と早い段階でネット通販を始めていますが、こだわり、独特のやり方などありますか?

塩原さん
塩原さん

片手間でやらないことですね。

2011年くらいまでは正直ほとんど売れていなかったんですよ。

途中からインターネット通販に特化したら、売上が増えました。

 

商品数を増やす、送料無料にする、365日発送にする、商品力のある商品を増やすなど、試行錯誤をして、今は実店舗の5倍くらいの売上まで成長しました。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――5倍ですか!やっぱり「良いものを作る」という視点が大切でしたか?

塩原さん
塩原さん

そうですね。そこに気づけたのは大きい気がします。インターネット通販を始めた頃は、それこそ売り方ばかりこだわっていましたから。

 

ただ、やり続けていくうちにSEOや小手先のテクニックではないことに気づきました。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――良い商品を作り、真摯にビジネスをやっていても、通販だとクレームを受けることもあると思いますが、どのように対応していますか?

塩原さん
塩原さん

クレームは基本、私が全て処理しています。とにかく、スタッフのモチベーションを下げたくないというのが理由ですね。

 

自分がいない時は担当者不在と言ってもらうようにしています。

うちのミスだったら、基本的に「送料負担」「全額返金」、相手のミスでもその人に悪気がなさそうなら同じ対応をします。

 

ただ、クレームがあまりに理不尽だった場合は、断固として受けないようにしています。うちがそれを甘んじて受け入れてしまうと、EC業界全体にとっても良くないと思うので。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――最後の質問になりますが、今後の展望について教えてください。

塩原さん
塩原さん

海外でもっと販売したいですね。

 

現状は、香港とアメリカなど一部地域で販売していますが、アメリカ、中国、アジアなど世界各国で販売したいです。

 

今は日本の3%ですが、それを10〜20%までに拡大したいと思っています。

俵谷龍佑
俵谷龍佑

――取材は以上になります!ありがとうございます。

塩原さん
塩原さん

こちらこそ、ありがとうございました。

【巣鴨のお茶屋さん 山年園】
住所:東京都豊島区巣鴨3-34-1
営業時間:10:00-18:00
定休日:365日営業(年中無休)
TEL:0120-22-4663
FAX:0120-917-418

山年園のホームページをのぞいてみる

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俵谷龍佑(たわらや りゅうすけ)
ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店でリスティング広告のプランナー業務に従事。その後フリーランスに。留学、睡眠、健康、経営、ライフハック、マーケティングなど多くの分野で執筆に携わり、さまざまな企業のアクセスアップに貢献。執筆記事数は1000本を超えます。SEOと読みやすさを意識したライティングには定評があります。現在は、働き方・地方創生・食という分野を中心に、取材、イベントレポートなど、さまざまなタイプのコンテンツ制作を行っています。
このコラムを書いた人
俵谷龍佑(たわらや りゅうすけ)

ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店でリスティング広告のプランナー業務に従事。その後フリーランスに。留学、睡眠、健康、経営、ライフハック、マーケティングなど多くの分野で執筆に携わり、さまざまな企業のアクセスアップに貢献。執筆記事数は1000本を超えます。SEOと読みやすさを意識したライティングには定評があります。現在は、働き方・地方創生・食という分野を中心に、取材、イベントレポートなど、さまざまなタイプのコンテンツ制作を行っています。

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