干し椎茸は独特の深いうま味があり、お吸い物や麺類の汁、鍋などに重宝します。この干し椎茸ですが、傘の開き具合によっていくつかの種類に分けられます。そのなかでもっとも薄く、比較的扱いやすいのが香信椎茸(こうしんしいたけ)です。
本記事では「香信椎茸(こうしんしいたけ)」を解説します。
香信椎茸(こうしんしいたけ)とは?
香信椎茸(こうしんしいたけ)とは、干し椎茸の種類の1つです。単に「香信(こうしん)」とよぶこともあります。
香信という名前の由来は定かではありませんが、中国語で椎茸のことを「香蕈(日本語読みで「こうじん」)」とよぶからとの説もあります。
干し椎茸には、傘の開き具合によっていくつか種類があります。なかでも香信椎茸は、傘が完全に開ききったもののこと。傘が開ききっているため、全体的に薄くフラットな形状です。
そのため水戻しが早くてうま味も抽出されやすく、さらに細切りなどもしやすい特徴があります。
干し椎茸(しいたけ)の種類一覧
干し椎茸の種類は、大きく分けて下記の3つになります。
・香菇(こうこ)
・冬菇(どんこ)
上記の3つとも、もとは同じ椎茸です。同じ椎茸でも、傘があまり開いていないうちに採取したものは冬菇、少し開いてから採取したものが香菇、完全に開いてから採取したものが香信になります。よって、本体の厚みや食感などは変わるものの、基本的に味に大きな違いはないといわれています。
3つそれぞれの違いをまとめると、下記のようになります。
香信(こうしん) | 香菇(こうこ) | 冬菇(どんこ) | |
傘の状態 | 完全に開ききっていて平ら | 少しだけ巻き込んでいる | ギュッと巻き込んでいる |
傘の厚み | 薄い | 少し厚い | 分厚い |
値段 | 普通 | 普通 | 高級 |
香信椎茸(こうしんしいたけ)と冬菇椎茸(どんこしいたけ)の違い
上記の3種類の干し椎茸のなかでも、特によく比較されるのが香信椎茸と冬菇椎茸(どんこしいたけ)です。上記の表からもわかるとおり、両者の大きな違いは見た目です。
冬菇椎茸はぼってりとした厚みがあり、傘はくるっと内側に巻いています。本体は肉厚でプリプリとしていて、食べ応えがあります。そのまま焼いたり煮物にしたりするのはもちろん、厚みを活かして肉詰めなどにしても絶品です。ただし、肉厚なため水戻しにはある程度時間がかかります。
また、見た目が良いので値段も高くなりやすく、箱詰めにして贈答用に使われることもあります。

一方の香信椎茸は、傘が開ききっていて薄く、フラットな形状です。よって水戻しに時間はかからず、すぐやわらかくなります。薄切りもしやすいので、ちらし寿司・五目御飯のトッピングやスープの具などにも向いています。冬菇椎茸に比べると値段は安いです。
香信椎茸(こうしんしいたけ)の特徴
香信椎茸の特徴をいくつか解説します。
短時間の水戻しでやわらかくなる
香信椎茸は薄く平たい形状をしています。厚みがあり傘が丸まっているどんこに比べると、水に短時間浸すだけで戻すことが可能。時間がないときにも短時間で下準備ができるので、急に椎茸を使うことになっても慌てずにすみます。
うま味(グアニル酸)が抽出されやすい
香信椎茸の平たい形状は、うま味が抽出されやすいメリットもあります。理由は、傘が広がっていることで、傘の内側のヒダも広がっているから。
このヒダ部分には、ヌクレアーゼという酵素が多く含まれています。干し椎茸にはグアニル酸とよばれるうま味成分が含まれますが、最初から干し椎茸にたくさん含まれているわけではありません。干し椎茸に含まれるリボ核酸(RNA)という成分が、前述のヌクレアーゼの作用によってグアニル酸に変化するのです。
よって、傘が開いてヒダも広がっている香信椎茸では、よりグアニル酸が抽出されやすいといえます。
香信椎茸(こうしんしいたけ)の食べ方・レシピ
香信椎茸は水戻りが早く、味のしみ込みも早いので、さまざまな椎茸料理に重宝されます。香信椎茸のおすすめのレシピをいくつか紹介します。
香信椎茸(こうしんしいたけ)のソテー
香信椎茸の味をシンプルに楽しむには、ソテーがおすすめです。香信椎茸は薄いので、水戻しせずともソテーにできます。
乾燥したまま軸だけ取り除いた香信椎茸を、手で適当な大きさに細かくします。その香信椎茸を鍋に入れて、ひたひたに浸るくらいの水を入れたら落とし蓋をし、中火にかけます。沸騰してから5分ほど煮込み、落とし蓋を取ってさらに水分がなくなるまで煮込んでください。
椎茸が水分を吸ってやわらかくなったら、バター、塩、醤油、お好みでにんにくを加えて味を絡めれば完成です。
香信椎茸(こうしんしいたけ)の煮物
水戻しした香信椎茸の軸を取り除きます。深みのある鍋に水戻しした香信椎茸を入れ、戻し汁と醤油、砂糖、みりんを加えて軽く混ぜ、中火で煮ます。沸騰したらアクを取り除いて弱火にし、落とし蓋をして15分~20分ほど水分がなくなるまで煮込みましょう。
香信椎茸(こうしんしいたけ)のアヒージョ
フライパンにオリーブオイル、にんにく、塩と、辛みが欲しい方は鷹の爪を入れて火にかけます。にんにくの香りが広がってきたら、水戻しした香信椎茸(軸は取り除く)と、お好きな野菜やシーフード類、ベーコンなどをお好みで入れ、弱火で5分ほど煮込みます。フランスパンなど硬めのパンをつけて食べるのもおすすめ。
香信椎茸(こうしんしいたけ)の戻し方
香信椎茸の水戻しの方法はとても簡単。香信椎茸の表面を軽く水洗いしたら、ボールなど深さのある容器に入れ、さらに香信椎茸が十分に浸るくらいの冷水を入れます。ぬるま湯やお湯ではなく、必ず5度くらいの冷たい水を入れてください。
あとは容器ごと冷蔵庫に入れ、3~5時間ほど置いておくだけ。時間に余裕がある場合は、一晩置いておくとより深いうま味が抽出されます。
山年園で販売する香信椎茸(こうしんしいたけ)製品について
当社で販売している「幸だし」は、香信椎茸や煮干しうるめ鰯、利尻昆布など計6つのだしを合わせただしです。
香信椎茸のグアニル酸、利尻昆布のグルタミン酸など、いくつかのうま味成分をかけ合わせることでより深みのある味わいを感じられます。絶妙なうま味の黄金比率を活かした絶品のだしを、ぜひさまざまなお料理にお役立てください。
幸だし
商品名 | 和風だし |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 440g(8.8g×50パック) |
原材料名 | 食塩(国内製造)、砂糖、鰹節粉末、煮干しうるめ鰹粉末、鯖節粉末、鰹だし顆粒、粉末醤油、椎茸粉末、昆布粒、食用植物油脂/調味料(アミノ酸等)、乳酸カルシウム、(一部に小麦・さば・大豆を含む) |
使用方法 | 1.水またはお湯を入れた鍋の中にだしパックを入れます。2.火をつけ沸騰したら中火にして約1~2分間煮だして取り出します。 |
使用上の注意 | 開封後は原料の風味をそこなわないために、チャックをしっかりと閉めて、冷蔵庫に保存し、お早めにお使いください。 |
保存方法 | 高温多湿・直射日光を避け、常温で保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 当店が自信を持ってオススメする幸だしです。 色々な料理に合いますので是非ご賞味ください。 |


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