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日本茶(お茶)の製造工程|抹茶と煎茶ができるまでの工程を、それぞれわかりやすく解説

日本茶 製造工程お茶の雑学

私たちが普段飲んでいる日本茶は、ただ摘んだ茶葉を乾燥させるだけでは完成になりません。さまざまな加工を施し、茶葉のもつ美味しさや香りなどを十分に引き出した状態ではじめて、私たちのもとへ届けられます。

今回は、煎茶と抹茶にスポットを当てて、日本茶の製造工程を解説します。

そもそも日本茶とは?

お茶 製造工程

そもそも日本茶とは、煎茶・抹茶・玉露・ほうじ茶など、日本で作られるお茶の総称です。同じ日本茶でも、茶葉を摘むタイミングや発酵の程度、揉捻(じゅうねん)の有無など、それぞれ製造工程が異なります。

本記事では、日本茶のなかでも特に一般的な煎茶と、特殊な作り方をする抹茶に分けて、それぞれの製造工程を解説します。

日本茶(お茶)の製造工程【煎茶】

煎茶 製造工程

まずは、煎茶の製造工程を順に解説します。おおまかな流れは、荒茶にする前半と、荒茶を仕上げ茶にする後半の2つに分かれます。

1:摘む

煎茶含め、お茶はすべて同じチャノキから作られます。チャノキから茶葉を摘む時期は、お茶の産地や品種などにもよりますが、基本的には年4回。4月下旬頃から摘まれるお茶は一番茶(新茶)となり、4回のうちもっとも品質が良く、値段も高くなりやすいです。

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2:蒸らす

摘み取った茶葉をそのまま置いておくと、茶葉内に含まれる酸化酵素が働いてだんだん発酵が進んでしまいます。そこで、摘んだ茶葉はまず蒸気を当てて蒸し、酸化酵素の働きを止めます。この工程を蒸熱(じょうねつ)とよびます。

こうすることで発酵が止まり、茶葉本来の緑色がキープされるので、淹れた煎茶の水色も美しい緑色になるのです。

3:揉む

蒸熱で酸化酵素の働きを止めたら、次にその茶葉を揉みます。揉む工程は1つだけではなく、下記の4段階に分かれます。

・粗揉(そじゅう)
・揉捻(じゅうねん)
・中揉(ちゅうじゅう)
・精揉(せいじゅう)

1つ目の粗揉では、茶葉に熱風を当てながらよく揉んで、茶葉に含まれる水分を飛ばします。次の揉捻以降の揉む工程では、茶葉に熱を加えずによく揉みこんで、形を整えます。

4:乾燥させる

よく揉まれた茶葉は、茶葉内の水分が飛んで、形状も細くきれいに整った状態です。しかし、まだ茶葉の中には少しだけ水分が残っており、このままだとお茶の味や香りに影響が出てしまいます。そこで、揉む工程のあとに茶葉をしっかり乾燥させて、茶葉内にわずかに残った水分を飛ばしきります。

この乾燥させる工程まで完了したものが荒茶(あらちゃ)です。荒茶はそのままでも飲めますが、まだ茶葉の見た目が整いきっておらず、味や香りも粗い状態。そのため、荒茶のままではなく、仕上げ茶に加工してから売られることが多いです。

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5:分ける

ここからは、荒茶を仕上げる工程に入ります。荒茶は、茶葉の大きさがまばらで、茎や粉なども混ざっている状態です。まずは荒茶を、茶葉の大きさごとに分けていきます。さらに茎や粉なども分別していき、茎は茎茶に、粉は粉茶になります。

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6:火を入れる

分けられた茶葉に火を入れていきます。

この工程は火入れ(ひいれ)とよばれ、コーヒー豆の焙煎のようなもの。茶葉の加熱具合で、完成した茶葉の風味や香り、水色などが変わるので、特に高い技術が求められる重要な工程です。

茶葉の加熱方法は、熱した鉄板の上で炒る、直接火を当てるなどいくつかあります。

7:冷ます

火入れが終わった茶葉は広げておくなどして冷まし、残った熱を取ります。

8:ブレンドする(合組)

最後の工程が合組(ごうぐみ)です。合組とは、複数の茶葉をブレンドすることです。

茶葉は産地や品種、その年の気候条件などによって、どうしても味や香りが変わるもの。単品だけだと足りない部分を、他の茶葉と組み合わせて混ぜることで、より美味しいお茶が完成するのです。例えば、あっさりした味わいの茶葉に、甘みやコクが強い茶葉をブレンドしたり、香りが少ない茶葉に芳醇な香りの茶葉をブレンドしたりします。

合組はお茶の最終的な味や香りを決めるため、十分なお茶の知識や技術がある人だけが行えます。

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日本茶(お茶)の製造工程【抹茶】

抹茶 製造工程

続いて、抹茶の製造工程を解説します。同じ日本茶でも、煎茶とは大きく異なる方法で作られます。

1:摘む/2:蒸らす

抹茶の製造工程は、先に紹介した煎茶と、「1:摘む」→「2:蒸らす」までは同じです。

ちなみに抹茶にする茶葉を育てる際は、被覆(ひふく)栽培という方法を行ないます。

被覆栽培とは、チャノキに寒冷紗(かんれいしゃ)やよしず・こもなどの覆いをかけて、直射日光が当たらないようにして育てる方法。こうすることで、茶葉に含まれる甘み成分のテアニンが、苦み成分のカテキンに変化するのを防ぐのです。よって、抹茶はまろやかで濃厚な甘みのあるお茶になります。

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3:冷まして乾燥させる

摘んだ茶葉を蒸らしたあとは、煎茶のように揉む工程ははさまずに、そのまま茶葉に風を当てて冷まします。そのあとよく乾燥させます。

ここまで作られたものが、抹茶の荒茶です。

4:分ける

茎や茶葉の硬い部分を取り除き、葉の部分だけにします。必要であれば、このあと合組をすることもあります。

5:乾燥させる

茶葉を再度よく乾燥させます。ここまでできたものは「てん茶(碾茶)」とよばれ、これが抹茶のもととなります。

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6:挽く

てん茶を石臼で挽き、パラパラの粉状にします。この状態になってはじめて抹茶とよばれます。

山年園で販売している日本茶について

山年園では、今回ご紹介した煎茶や抹茶をはじめとする日本茶を、数多く取り揃えています。さわやかな渋みと甘さを感じられる煎茶や、まろやかなコクと旨みの抹茶。さまざまな製造工程を経て丁寧に作られた味わいを、ぜひご賞味ください。

煎茶 玉翠

煎茶 玉翠
商品名煎茶 玉翠
商品区分飲料
内容量【1袋あたりの内容量】
100g
原材料名茶葉
原産地日本産
静岡県産
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約12ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言かなり高級な日本茶です。
贅沢をしたい気分の際にオススメします(^-^)

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煎茶 やぶ北茶

やぶきた ティーバッグ
商品名煎茶 やぶ北茶
商品区分飲料
内容量【一袋あたり】100g(5g×20パック)
原材料名茶葉
原産地静岡県
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約12ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言老舗のお茶屋が販売する煎茶です。
他店のお茶と比べてみてください(^-^)

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【高級宇治抹茶】抹茶 粉末 雲竜

抹茶 雲竜
商品名抹茶 雲竜
商品区分食品・飲料
内容量【1缶あたりの内容量】
40g
原材料名緑茶(抹茶)
原産地日本産
京都府宇治市
使用方法お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。
少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約8ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする最高級な宇治のお抹茶です(^-^)

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八女の結

抹茶 八女の結
商品名抹茶
商品区分食品・飲料
内容量30g
原材料名緑茶(福岡県産)
賞味期限製造日より約1年
保存方法高温多湿を避け、移り香にご注意ください。
使用上の注意お茶は鮮度が大切です。開封後はお早めにお飲みください。
加工者株式会社 吉田園
福岡県八女市黒木町本分1159-5
販売者有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言緑茶の産地 八女の抹茶です。最高級の甘み、香りが堪能できます。
老舗のお茶屋がこだわり抜いた抹茶を是非ご賞味ください(^-^)/

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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