愛媛県にある石鎚地区では、夏に摘んだ茶葉を二段発酵させるという、とても珍しいお茶が作られています。独特な酸味と香りをもつこのお茶は石鎚黒茶とよばれ、お遍路さんにも親しまれています。
今回は「石鎚黒茶(いしづちくろちゃ)」をご紹介します。
石鎚黒茶(いしづちくろちゃ)とは?

石鎚黒茶とは、愛媛県西条市小松町の石鎚(いしづち)地区で作られるお茶です。読み方は「いしづちくろちゃ」です。
石鎚黒茶の大きな特徴は、製造方法のユニークさ。石鎚黒茶は茶葉に微生物をつけて発酵させる後発酵茶(こうはっこうちゃ)の1つですが、後発酵茶のなかでも珍しい二段発酵で作られ、その独特な作り方から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」にも登録されています。これは文化庁が行なっている事業で、祭りや行事、製作技術などの無形文化財のなかでも、特に重要なものの衰退を防ぐために記録したり助成を行なったりするものです。
石鎚黒茶は、独特な製造方法や生産者の減少から生産量が極めて少なく、幻のお茶ともよばれています。
石鎚黒茶の歴史・発祥について
石鎚黒茶がいつ生まれたのか、発祥や歴史について明確な情報は残っていません。ただ、中国から帰ってきた弘法大師の空海が、日本で普及させたお茶の1つではないかといわれています。理由の1つがお遍路です。
お遍路とは、空海が1,200年ほど前に開いた四国内の八十八ヶ所の霊場を巡礼すること。今でも石鎚山周辺へ来るお遍路さんへのお接待として、石鎚黒茶が出されています。
石鎚黒茶の生産は、江戸時代から大正時代にかけて盛んに行なわれていたようですが、昭和からしだいに生産者が減少し、今現在非常に少なくなっています。現在は、地元団体などが石鎚黒茶の普及や継続のために活動を続けています。
後発酵茶(こうはっこうちゃ)とは

後発酵茶とは、茶葉に微生物をつけて発酵させるお茶のこと。石鎚黒茶の他に、碁石茶(ごいしちゃ)や阿波晩茶(あわばんちゃ)、プーアル茶などが該当しますが、そもそもあまり種類がなく珍しいお茶です。
後発酵茶の製造工程では、茶葉を加熱してよく揉んでから乾燥させ、乳酸菌や真菌(カビ)などの微生物を茶葉に付着させてしばらくおきます。すると微生物の働きにより茶葉の発酵が進み、まるでワインや漬物のような深い味わいが生まれるのです。酸味が強く出るお茶もあります。

石鎚黒茶の特徴

石鎚黒茶の特徴をいくつか解説します。
珍しい二段発酵茶
石鎚黒茶は、後発酵茶のなかでも非常に珍しい二段発酵で作られます。発酵の工程は、大きく分けると下記の二段階です。
②乳酸菌で嫌気性発酵(けんきせいはっこう)
好気性発酵とは、空気に触れた状態で発酵させること。対して嫌気性発酵は、空気に触れさせない状態で発酵させることです。
GABA(ギャバ)が多く、カフェインは少ない
石鎚黒茶は、緑茶など他のお茶に比べてカフェイン含有量が少ないといわれています。
石鎚黒茶は7月頃に大きく育った茶葉を摘んで作られますが、茶葉は新茶がもっともカフェイン含有量が多く、茶葉が育つにつれて少しずつ減っていきます。よって、成長した茶葉を使う石鎚黒茶のカフェイン含有量は、少ないと考えられます。ただし少ないとはいえ微量は含んでいるので、妊娠中・授乳中の方や、カフェイン摂取量を気にされる方は注意してください。
一方で、石鎚黒茶に多く含まれる成分はGABA(ギャバ)です。乳酸菌で嫌気性発酵させることにより、GABAが多く作られます。
独特な酸味とフルーツのような香り
石鎚黒茶は二段発酵させることで、他の後発酵茶にはない独特な酸味と、オレンジや柚子など柑橘系を思わせるフルーティーな香りが生まれます。すっきりした酸味とフルーツ感は、まるで熟成した白ワインのようです。
真っ黒な茶葉
石鎚黒茶は二段階で長期間じっくり発酵させるので、できあがった茶葉が真っ黒になります。この見た目が、黒茶という名前の由来にもなっています。
黄金色の水色
石鎚黒茶を淹れた際の水色は、真っ黒な茶葉からは想像つかないほど透き通った美しい黄金色です。透明なグラスに注いでアイスティーにすると、目でも楽しめます。
石鎚黒茶の味や香りについて

石鎚黒茶を飲んだ方の味や香りの感想を、Xよりいくつか抜粋してご紹介します。
和の黒茶は初めて。7T+の石鎚黒茶 愛媛 やぶきた を。
淹れる前から酸っぱいにおい。湯切りした茶葉はブルーチーズか^ ^
飲むと意外に柑橘系の酸味が~。独特のにおいはあるけど、クセになりそうな喉越し。2煎目はすごく飲みやすい
三宮一貫楼の豚まんにもよく合うお茶#茶好連#木漏れ日のお茶会 pic.twitter.com/tF8B0goDxB— 更紗 (@sweetsarasa) March 22, 2025
今日の茶葉は石鎚黒茶のみで、ストレート・ラテ・ハイの3種類の飲み方がありました🍵
ストレートを飲んだのですが、発酵が進んでいるのが特徴で結構クセが強くて他では味わえない面白いお茶でした😊— 鯛の子 (@M6lyZ) December 6, 2025
イベント会場では、お茶の試飲もさせてもらった。
新茶と3年ものだったと思う。
石鎚黒茶は酸味があると事前に情報は得ていた。
新茶の方が酸味が比較的強く、3年ものの方がまろやかだとの説明を聞いた。確かにそうだったけど、新茶は私が想像していたよりも酸味は強くもなく、飲みやすかった😌— 白猫 (@shironeko_4628) November 29, 2025
頂き物の石鎚黒茶。とっても昆布の香りがする。少し漁港よりの香りも感じる。昆布の香りで昆布茶に感じる感もあるが、味自体は甘くて、少し酸味がある。いやぁ、乾いた海藻感があるんだよな。不思議すぎる。温度?
時間が立つと渋みが出てきて、海藻感が減る。酸味は残るが、甘みは消えるな。 pic.twitter.com/h0Sw40l4yZ— みえるもの (@MieruMono) November 15, 2025
石鎚黒茶を飲むと、後発酵茶ならではの独特な酸味を感じる方が多いようですね。柑橘類に似たフルーティーさを感じる方も。その香りや味わいは他のお茶とは異なり、人によっては驚く方もいるかもしれませんが、クセになる方もたくさんいます。
石鎚黒茶の作り方

石鎚黒茶は、ほぼすべてが手作業で、2ヶ月ほどかけて丁寧に作られます。石鎚黒茶の製造工程は下記のとおりです。
摘採(てきさい)
毎年7月頃に、茶葉を摘み取ります。通常、お茶の新茶を摘む時期は4月下旬~5月中旬頃で、そのあと二番茶、三番茶、四番茶と続きます。7月頃に摘まれる茶葉はすでに三番茶で、新茶に比べると葉が大きく硬く育っています。石鎚黒茶では、あえてこの硬い茶葉を使います。
殺青(さっせい)
摘んだ茶葉をよく洗い、釜に入れて蒸気を当てながらじっくり蒸します。これは殺青という工程で、蒸すことで茶葉内に含まれる酸化酵素の動きを止めます。
好気性発酵(こうきせいはっこう)
蒸した茶葉を木桶に詰めて、蓋はせず空気に触れさせた状態で1週間ほど置きます。こうすることで、木桶に棲みついた天然の微生物の働きによって、茶葉にカビが生えてきます。
嫌気性発酵(けんきせいはっこう)
好気性発酵を終えた茶葉をよく揉んでから、ビニール袋に詰めてしっかり空気を抜き、そのままポリバケツに入れ、重石をのせてポリバケツの蓋を閉めます。今度はビニール袋の中で乳酸菌が働き始め、二段階目の嫌気性発酵が始まります。2週間ほどこのまま発酵させます。
乾燥
嫌気性発酵を終えた茶葉は広げて天日干しされ、乾かされます。十分に乾燥し終えたら完成です。
石鎚黒茶の飲み方

急須に石鎚黒茶の茶葉を2~3gほど入れ、熱湯を注ぎます。急須に蓋をして1~2分ほど抽出すればできあがり。煮だす場合は、鍋ややかんに1Lほどの水を入れて強火にかけ、沸騰したら石鎚黒茶の茶葉を2~3gほど入れて弱火にし、10分ほど煮だします。火を止めて、3分ほど蒸らせば完成です。
石鎚黒茶はアイスティーにしても美味しく飲めます。ポットに水1Lほどと茶葉4~5gほどを入れて冷蔵庫に入れ、数時間おいておけば水出し石鎚黒茶に。すっきりした酸味と深い香りで、暑い季節のリフレッシュにもぴったりです。
山年園で販売している後発酵茶について
山年園では、美味しい後発酵茶も取り扱っています。後発酵ならではのさわやかな酸味は、一度飲むとクセになるかも?珍しい後発酵茶をぜひご賞味ください。
碁石茶
| 商品名 | 碁石茶 |
| 商品区分 | 飲料 |
| 原産地 | 日本産 高知県大豊町 |
| 使用方法 | ◆急須の場合◆ 碁石茶約3gに熱湯を加えて4~5分待ちます。 1煎目はあまり濃くない方が、美味しくいただけます。 3~5煎目までお飲みいただけます。◆ヤカンで煮出す場合◆ ヤカンで沸騰したお湯2リットルに碁石茶約3gを入れ、中火で約10分煮出します。 酸味が気になる方は、冷蔵庫で冷やすと飲みやすくなります。 |
| 使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
| 保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
| 賞味期限 | 製造日より約2年 |
| 販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
| 店長の一言 | 幻のお茶と言われた碁石茶です。 最安値に挑戦中です(^-^) |
阿波番茶
| 商品名 | 阿波番茶 |
| 商品区分 | 飲料 |
| 内容量 | 3g×15パック |
| 原材料名 | 茶葉 |
| 原産地 | 徳島県産 |
| 使用方法 | 【ヤカンで煮出す場合】 沸騰したお湯、約1リットルに対して1パックが適量です。2~3分ほど煮出してください。【急須で飲む場合】 急須に淹れる場合は、1パックに対して、3~4煎ほどお飲み頂けます。 |
| 使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
| 保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
| 賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
| 販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
| 店長の一言 | 一躍話題になった阿波番茶です。 老舗のお茶屋のこだわりの阿波番茶を是非ご賞味ください(^-^) |
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