日本茶

蔵出し茶とはどんなお茶?徳川家康も好んだ後熟を楽しめる秋の熟成茶

蔵出し茶日本茶

新茶は、新芽ならではのフレッシュな香りが人気で、毎年楽しみにしている方も多いかもしれません。

この新茶を、あえて長期間熟成させたお茶もあることをご存じでしたか?熟成された茶葉には、新茶とはまったく異なった美味しさがあります。このお茶を蔵出し茶とよびます。

蔵出し茶とは?

蔵出し茶 とは

蔵出し茶とは、春に摘み取られた新茶を、夏の間に低温貯蔵・熟成させてから流通させるお茶です。秋の10~11月頃になると販売されます。

国内にはさまざまなお茶の産地がありますが、福岡県の八女茶(やめちゃ)や京都府の宇治茶など国内各地のお茶ブランドで、それぞれ蔵出し茶が作られています。

蔵出し茶は煎茶が多いですが、玉露やほうじ茶などもあります。

蔵出し茶と新茶の違い

蔵出し茶と対極にあるお茶が、新茶です。

新茶とは、その年最初の茶葉の新芽のみを使ったお茶です。例年4月下旬~5月中旬頃に摘み取られます。普通の茶葉に比べてとてもやわらかく、みずみずしい香りやまろやかな甘みをもちます。苦みや渋みはありません。

一方で、蔵出し茶はこの新茶を低温貯蔵し、夏の間じっくり寝かせて作られるため、新茶にはない深みのある味わいが魅力です。

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蔵出し茶を好んだといわれる徳川家康

蔵出し茶の起源は、大のお茶好きとして知られる徳川家康とされています。

徳川家康はより美味しいお茶を飲むために、静岡市北部の井川大日峠(いかわだいにちとうげ)にお茶専用の蔵を作らせました。その蔵に、茶壺に入れた茶葉を夏の間保管させました。標高が1,000mを超える井川大日峠で低温保存された茶葉はじっくりと熟成されていき、秋になると美味しいお茶ができたのです。

こうしてできあがったお茶を、当時家康がいた静岡県の駿府城(すんぷじょう)まで運ばせて、家康はその熟成された味わいを楽しんでいたようです。これが蔵出し茶の起源だといわれています。

この、夏の間寝かせたお茶を秋に開封する行事を口切り(くちきり)とよび、今でも「口切りの茶事」として、11月に行われます。

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蔵出し茶として有名なブランド「霧山茶」について

全国に数多くあるお茶ブランドのなかでも、特に蔵出し茶として有名なのが霧山茶です。

霧山茶は高知県・高岡郡日高村で作られます。霧山茶は土佐茶に分類され、四万十川(しまんとがわ)、仁淀川(によどがわ)などの美しい水や深い山々のなかで育まれた美味しさに定評があります。

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蔵出し茶の特徴

蔵出し 煎茶

蔵出し茶の大きな魅力は、何といってもまろやかで豊かな味わいと香りです。

茶葉を長期間じっくりと低温貯蔵することで、新茶特有のフレッシュな香りや味わいがやわらかく変化し、丸みを帯びた穏やかな味や香りになります。

寝かせることで熟成された味わいが生まれる様子は、まるでワインのよう。新茶とはまた違う深みのある美味しさを楽しめます。

蔵出し茶の味や香りについて

蔵出し茶 味

蔵出し茶を実際に飲んだ方の味や香りの感想を、Xよりいくつかピックアップしてご紹介します。

蔵出し茶の種類にもよりますが、やはり濃厚でしっかりした旨みや味わいを感じる方が多いようです。

蔵出し茶の美味しい入れ方

蔵出し茶 淹れ方

蔵出し茶の旨味や甘味を活かすために、一般的には60℃から70℃程度の低めの温度が適しています。高すぎると渋みが強く出てしまい、蔵出し茶特有の円熟した味わいを損なうことがあります。

茶葉の量は一人分で約3gが目安です。急須に茶葉を入れたら、用意したお湯をそっと注いで30秒から1分ほど蒸らします。抽出時間はお茶の種類や好みによって調整してください。ただし、長く置きすぎると苦味が出るので注意が必要です。

注ぐ際は少しずつ交互に湯呑みに回し注ぐことで、味の均一化が図れます。最後の一滴まで丁寧に注ぎきることも大切で、これが次の抽出の風味に影響します。二煎目、三煎目を楽しみたい場合は、お湯の温度を少しずつ上げていくとよいでしょう。

まとめ

蔵出し茶ならではのコクがある味わいは、秋冬に食べたくなる濃厚なお菓子や料理にもぴったり。熟成されたまろやかな風味を、ぜひお試しください。

当社でも煎茶や玉露を販売中!

星野村 八女茶

星野村 八女茶
商品名煎茶 八女茶
商品区分飲料
内容量【一袋あたり】100g
原材料名茶葉
原産地福岡県八女市
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約12ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1

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玉露 八女茶

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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