プーアル茶といえば、日本では烏龍茶と並ぶ馴染みのある中国茶。
しかし、プーアル茶の歴史や本当の美味しさについてご存知でしょうか?
年数物のプーアル茶は高値で取引されており、愛好家の羨望の的になっているそうです。
この記事では、プーアル茶の歴史や味、副作用、美味しい飲み方・入れ方など、気になるポイントをたっぷりご紹介。
プーアル茶ってどんなお茶?歴史について
プーアル茶は、雲南省南部及び南西部を原産地とする中国茶で、漢字で「普洱茶」と書きます。
プーアル茶の起源は諸説あります。
初めて歴史書に登場したのは唐の時代で、清の時代には朝廷で愛飲される献上品として記録されています。
後に一般家庭にも広がり、漢民族とチベット民族での交易で、馬とプーアル茶の交換が行われるようになります。
その生産地帯であり交換地帯でもある雲南省南部の「プーアル府」の名にちなんで、「プーアル茶」と名付けられました。
プーアル茶に含まれている成分
ここでは、プーアル茶に含まれている主な成分をご紹介します。
リパーゼ
食べ物の分解などに関わる消化酵素です。
ミネラル類(鉄、マグネシウム、カリウム、ナトリウム)
体の健康を維持するのに欠かせないミネラルを豊富に含んでいます。
緑茶と比べると、ナトリウムは2.5倍、鉄2倍、カルシウム1.4倍も含んでいます。
ビタミン類(ビタミンA、B、C、E)
ビタミンを種類豊富に含んでいますが、含有量は、他のお茶(緑茶、ウーロン茶、紅茶など)に比べると、製造過程の影響を受けて低くなっています。
没食子酸(ぼっしょくしさん)
茶葉に含まれるカテキンが発酵してできる健康成分です。
プーアル茶やウーロン茶のような発酵茶にしか含まれません。
重合型ポリフェノール(カテキン)
発酵の過程でカテキンが変化した、ポリフェノールの一種。
緑茶の5.5倍もの重合型ポリフェノールが含まれています。
プーアル茶の副作用は?カフェインがあるけど妊婦の方も飲める?
プーアル茶には少量のカフェインが含まれています。
妊娠中のカフェイン摂取量は180~200㎎までが目安と考えられていて、適量であればカフェインの摂取は問題ないと考えられています。
妊婦の方がプーアル茶を飲む場合は、念のため担当の医師に確認し、少量ずつ様子を見ながら摂取すると良いでしょう。
ここで一つ注意したいのは、プーアル茶の種類(生茶・熟茶)によってカフェインの量が違うという点です。
生茶では20㎎(100ml中)、熟茶では15mg(100ml中)ほど含まれています。
プーアル茶の生茶であれば6~9杯、熟茶で8~12杯までが目安となります。
摂取量を少しでも減らしたいなら、カフェインは高温だと抽出されやすい性質を持つので、水出しや低温抽出などの方法をお試しください。
また、プーアル茶には「シュウ酸」が含まれています。
シュウ酸の摂取量に制限のある方は、飲まれる前に一度かかりつけの医師に確認しましょう。
プーアルの味は「カビ臭い」って本当?
「プーアル茶の味はカビ臭い」と言われることもありますが、これは半分ホントで半分ウソです。
間違った保管をするとカビ臭くなることがあります。
茶葉が湿気を含むことで、カビ臭さ=劣化臭の原因となります。
現在では、優れた保管状態を維持するために脱酸素剤を入れるなどの工夫をしているメーカーも増えてきています。
また、保管方法だけでなく、プーアル茶の種類「生茶・熟茶」によっても味が変わります。
取られた茶葉を熱し(殺青)、酸化酵素の活動を止める工程が行われたのち、味を引き出すためにもみほぐす作業が行われます。
ここから、さらに茶葉を乾燥させてできた茶葉が「晒青毛茶」とよばれるプーアル茶の原料です。
この晒青毛茶の加工方法により、味も色合い、風味も変わります。
生茶、熟茶、それぞれの違いを簡単にご紹介します。
生茶
晒青毛茶を袋につめて、蒸し押し固めた物で、緑茶の製法ととても似ています。
プーアル茶の茶葉は日本茶とは違い、蒸すのではなく鍋で煎られるので、茶葉の成分がギュッと凝縮されています。
生茶タイプのプーアル茶を入れると、花や果実のような香りが漂い、苦味を感じた後に口の中に甘い余韻が残ります。
生茶の特筆すべきポイントは、保管年数を増すごとに花のような甘い香り~果物のような甘い香り~蜜のように濃厚な甘い香りへの変化する点です。
熟茶
晒青毛茶を麹カビ菌によって意図的に発酵したものです。
お茶の質がガラリと変わり、苦味や渋みが丸くなる一方で、甘みを強く感じるようになります。
日本で販売されている多くが熟茶タイプのプーアル茶です。
熟茶タイプの場合、保管年数によって味わいが大きく変わることはありませんが、熟成によって舌触りがより滑らかになり、また、乾燥棗(なつめ)のような甘い香りが増す傾向にあります。
より美味しく!プーアル茶のおすすめの入れ方とは
プーアル茶の美味しさを引き立てる、おすすめの入れ方をご紹介します。
1.洗茶する
本格的なプーアル茶は、塊になっていることが多いです。
洗茶をすることで急須などの茶器が温まり、茶葉についた不要なホコリや香りを落とすことができます。
お湯を注ぎ10〜20秒ほどしたらカップに注ぎましょう。
この時、茶葉がほぐれているのを確認してから注ぎ出すようにします。
洗茶できていない部分があると雑味が生じます。
2:お茶を蒸す
抽出時間は1煎目で10~20秒です。
茶葉の量はご使用になる急須によっても前後しますので、10~20秒で好みの色合い、味が出せる蒸し具合になるように、茶葉の量を調整してみてください。
2煎目以降はすでに茶葉が緩み、しっかりと抽出できる状態になっているので、数秒~10秒を蒸し時間の目安にします。
注いでみて薄い場合は、今一度急須に戻し、またすぐに注ぎ入れてください。
3:お茶を入れる
プーアル茶を入れる際には、最後の一滴まで注ぎ入れるようにしましょう。
残ってしまうと苦味や渋みが出てきてしまいます。
注ぎきる方法を実践して頂ければ、お茶を3、4杯と長くお楽しみ頂けます。
まとめ
プーアル茶は「変化のお茶」と言っても過言ではありません。
生茶・熟茶の種類によって、味わい・香りが違い、さらに熟成期間によっても、まるで別のお茶のように味わい・色合い・舌触りに変わります。
ぜひ、ご自身好みのプーアル茶を見つけて、ゆっくり、じっくりと味わってみてください。
ちなみに当社でも、プーアル茶を販売しております。
当社が扱うのは、中国雲南省を原産地とする本格プーアル茶。
ぜひ、ご購入希望の方は、下記からご購入をどうぞ。
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