世界有数のお茶の名産地、台湾。
お茶の生産に適した気候と地形に恵まれ、台湾で作られるお茶の味には定評があります。
今回は台湾茶のなかでも、特に有名な「台湾烏龍茶」をご紹介します。
台湾烏龍茶とは?
台湾烏龍茶とは、台湾で生産される烏龍茶の総称です。
台湾烏龍茶の特徴は、半発酵茶ならではのコクがありつつも、すっきりとした飲み口であること。さらに、一般的な烏龍茶とは異なり、見た目は黄金色や薄い茶色です。まるでフルーツを入れたような華やかな香りも魅力です。
台湾茶の茶葉は丸い形状で、お湯を注ぐとふわっと広がります。
そのため何度も同じ茶葉でお茶を抽出できます。茶葉を細かくもんだり刻んだりしないのも、台湾茶の特徴です。
ちなみに台湾烏龍茶は烏龍茶の一種なので、カフェインが含まれています。妊婦の方や小さなお子さまは飲みすぎないように注意しましょう。
関連記事:烏龍茶のカフェイン含有量と成分について
台湾烏龍茶の産地について
台湾茶が生産・製造される台湾は、一年を通して温暖な気候、さらに山谷が多く高低差のある地形をしています。この特有の気候や地形が、お茶栽培にとても適しているのです。
なかでも台湾中心部にある山岳地帯「阿里山(ありさん)」は、台湾烏龍茶の栽培地として有名です。最高峰は大塔山で、標高は2,663mもあります。
高い標高の山々は、朝晩の激しい寒暖差と豊かな山霧があり、おいしいお茶栽培には欠かせない条件が揃っています。
台湾烏龍茶の歴史
1796年に烏龍茶の名産地である中国・福建省の武夷山(ぶいさん)から、台湾北部に茶の木が持ち込まれたようです。持ち込んだのは柯朝(かちょう)という商人でした。これが台湾茶の始まりといわれています。
台湾と中国は気候や地形が異なっていたため、少しずつ台湾独自のお茶の育成・製造方法が生まれていきます。1866年頃になると、台北県の淡水港と台南が開港され、台湾烏龍茶は海外へ輸出されるようになりました。
1869年には、台湾に来ていたスコットランドの商人ジョン・ドットによって「Formosa Tea」の名で欧米に広まり、人気を博しました。「Formosa(フォルモサ)」は台湾を意味します。
そのあと第二次世界大戦で一時は衰退してしまった台湾の茶産業。第二次世界大戦が終結した1945年以降は、茶業の復興を重要事項の1つに掲げました。そして1980年代には輸出の最盛期を迎えたのです。
台湾四大銘茶とは?台湾烏龍茶の種類について
ひとくちに台湾烏龍茶といっても、産地によってさまざまな種類(銘柄)があります。
数ある台湾烏龍茶のなかでも特に知名度が高いのが、「台湾四大銘茶」とよばれる下記4つのお茶です。
・東方美人茶
・木柵鉄観音茶
・文山包種茶
凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)
南投県の鹿谷鄕(るーぐーきょう)凍頂山周辺で生産される台湾烏龍茶です。
薄い金色のお茶は、まろやかさと、桃に似たフルーティな甘みがあります。凍頂烏龍茶は中発酵茶ですが、発酵度が上がるにつれて華やかな香りが強まります。
凍頂烏龍茶のなかでも、発酵度が低く焙煎も軽めのものは「清香(ちんしゃん)」、発酵度が高く高焙煎のものは「濃香(のんしゃん)」とよばれます。
清香は軽発酵なので、緑茶に近い緑がかった黄金色です。渋味は少なく、すっきりとしたさわやかな飲み口です。
一方、濃香はしっかり発酵しているため、清香よりも強い風味と香りを感じられます。とろっとしたお茶には甘みと華やかな香りがありますが、後味はすっきりしています。
関連記事:台湾発の凍頂烏龍茶はどんな味?おすすめの飲み方についても
東方美人茶(とうほうびじんちゃ)
かつてイギリスのエリザベス女王が、あまりのおいしさに感動したことから「東方美人(オリエンタルビューティー)」の名がついたといわれる東方美人茶。その味わいは、イギリス王室だけではなく当時のヨーロッパ中で人気を博したようです。
生産地は新北市坪林区で、作られる時期も限られるため、生産量が少なく希少な高級茶です。
東方美人茶の特徴は独自の製造方法です。茶葉をウンカという体長5mmほどの虫に噛ませ、噛んだ箇所を茶葉自ら修復する働きによって、まろやかで芳醇な香りと甘みが生まれます。
お茶の色は澄んだオレンジ色で、高発酵茶なので紅茶に似た風味です。熟れたフルーツや花の蜜を思わせる甘い香りで、数ある台湾烏龍茶のなかでも人気が高いお茶です。
木柵鉄観音茶(もくさくてっかんのんちゃ)
「木柵鉄観音茶(もくさくてっかんのんちゃ)」は、台北市文山区の木柵という場所で生産される台湾烏龍茶です。
美しい黄金色のお茶は、フルーティーで甘い香りがします。柑橘系の果物やアプリコットに似た甘酸っぱい風味が特徴で、まるでフルーツのフレーバーティーのようです。
さらに鉄観音茶は何度も焙煎を繰り返すため、作るのに手間がかかります。何度も焙煎することで、ほうじ茶のような香ばしさも感じられます。
文山包種茶(ぶんさんほうしゅちゃ)
「文山包種茶(ぶんさんほうしゅちゃ)」は、台北近郊の文山地区一帯で作られる台湾烏龍茶です。
前述の木柵鉄観音茶が高発酵であるのに比べ、文山包種茶は軽めに焙煎しているのが特徴です。軽発酵であるため、お茶の色は薄めの黄緑色で、渋味や苦味はほとんどありません。すっきりと軽い飲み口で、どなたでもおいしく楽しめます。
包種茶には「花香(かこう)」という、ジャスミンや蘭を思わせるフローラルな香りがあります。リラックスタイムにもおすすめの台湾烏龍茶です。
台湾烏龍茶には、これら4つのほかにも、梨山茶や杉林渓、阿里山茶などさまざまな種類があります。いろいろ飲み比べてみても楽しいかもしれません。
台湾烏龍茶の味
台湾烏龍茶は、種類によって微妙に香りや味が異なります。台湾烏龍茶を飲んだ方の味の感想を、Twitterより一部ご紹介します。
台湾烏龍茶2021冬茶の文山包種です
茶葉は軽い揉捻の緑寄りの黄緑
茶水は透明感のある黄金色
甘い乳香と花の香り✨
柔らかい甘みと旨みがあり
蘭香を感じながら後味もスッキリしていて
且つ優しい甘さが暫く残ります😊
茶がらは緑色でもちもちとしています#文山包種 #台湾茶 pic.twitter.com/yiSVZ5OonN— J.fujita@中国茶好きから二歩半前進 (@wT59870evcTINIc) January 21, 2022
右:蜜香紅茶(クリームダウン‥)
蜜香が先に立ち、後から紅茶の風味が戻る。中:木柵鉄観音
ミルクが先に、その後に鉄観音のどっしりした味わいが残る。左:東方美人
香、味とともに熟した果実のような茶の味が先に立つ。#茶好連 pic.twitter.com/OjrP2CODeZ— ハチ (@hachitaro1207) February 15, 2021
新年ですが敢えて老茶です。
文山包種の老茶花の香りと清々しい程の深緑色の清香に対し、果実味の優しい甘さと一般的な果実香と少し異なる戻り香。
湯温が下がっても安定して味が続くのでトロンとさせる茶器があるなら大変ゆったりとした時間を過ごせるな、とワクワク感。 pic.twitter.com/fS7vXxyGHW
— *AOLIN* (@ALN22686) January 1, 2019
【Mr. 佐藤の中国茶日記】第二十一回
今日のお茶は、
甜香凍頂烏龍茶(テンシャンとうちょうウーロンちゃ)
という烏龍茶です。
香りは花の香り加え、 カスタードを彷彿とさせる甘い香りがします。
味は控えめな青っぽさに加え、奥にカスタードやキャラメル、 ハチミツを彷彿とさせる甘さがあります。 pic.twitter.com/5Ccl7SLfQl— Mr. 佐藤の中国茶録 (@MrAqr_GongFuCha) September 29, 2022
台湾烏龍茶の入れ方と飲み方
台湾烏龍茶は、本場では専用の茶器を使って入れます。しかし茶器がなくても、ご自宅にある急須で十分おいしく入れられます。
急須に台湾烏龍茶の茶葉を4~5gほど入れ、熱湯を300ccほど注ぎます。茶葉を十分に開いて風味を抽出しやすくするためにも、必ず熱湯を使ってください。
また、注ぐときは低い位置からなるべく勢いよく注ぎ切るのがポイント。できるだけ短時間で熱湯を注ぐことで、より熱い状態の熱湯を入れられ、お茶の味がおいしくなります。
そのあと3分ほど蒸らしてから茶碗に注いで飲みます。蒸らし時間はお好みで調整してみてください。
台湾烏龍茶は、1回の茶葉で何回もお茶を楽しめます。2煎目だけ1煎目よりも蒸らし時間を10秒ほど短くし、反対に3煎目は2煎目よりも10秒ほど長めに蒸らしましょう。4煎目以降も、1つ前より10秒ずつ蒸らし時間を長くしていきます。
このように1つ前よりも少しずつ蒸らし時間を長くすることで、5煎目、6煎目までおいしく楽しめます。
台湾烏龍茶のおすすめアレンジ
台湾烏龍茶は、フルーツのような甘い香りがあるため、生の果物やドライフルーツを入れてアレンジしても絶品です。
例えば生のいちごやバナナ、りんご、柑橘類、ドライいちじくやドライマンゴーなどのドライフルーツもおすすめです。これらを適当な大きさに切ってティーポットに入れ、一緒に台湾烏龍茶のティーバッグを入れます。その上から熱湯を注ぎ、数分蒸らせばOK。
そのままホットで飲んでも、冷蔵庫にしばらく入れてアイスで飲んでもおいしいですよ。
他にもミントの葉や、カルダモンといったスパイス類、メープルシロップを加えても新しい味わいを楽しめます。いろいろ試して好きな組み合わせを見つけてみてください。
山年園が提供する台湾烏龍茶の関連製品について
山年園でも台湾烏龍茶を販売しております。
緑茶に近い感覚ですっきり飲みやすい文山包種と、ミルクのようなまろやかな甘みのある阿里山金萱(きんせんちゃ)、台湾の代表的な凍頂烏龍茶をご用意しています。それぞれ飲み比べてみるのもおすすめです。
甘い香りの台湾烏龍茶を、ぜひリラックスタイムにお試しください。
台湾烏龍茶 文山包種
商品名 | 台湾烏龍茶 文山包種 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 2g×10包 |
原材料名 | 烏龍茶 |
原産地 | 台湾 |
使用方法 | 本品1包をマグカップにいれ、熱湯を注いでお好みの濃さになるまで待ってお召し上がりください。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 高温・多湿・直射日光を避け常温で保存 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 当店の台湾烏龍茶 文山包種ティーパックは、山年園だけのオリジナル商品です。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた台湾烏龍茶 文山包種を是非ご賞味ください(^-^) |
台湾烏龍茶 阿里山金萱
商品名 | 台湾烏龍茶 阿里山金萱 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 2g×12包 |
原材料名 | 烏龍茶 |
原産地 | 台湾 |
使用方法 | 本品1包をマグカップにいれ、熱湯を注いでお好みの濃さになるまで待ってお召し上がりください。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 高温・多湿・直射日光を避け常温で保存 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 当店の台湾烏龍茶 阿里山金萱ティーパックは、山年園だけのオリジナル商品です。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた台湾烏龍茶 阿里山金萱を是非ご賞味ください(^-^) |
凍頂烏龍茶 四季春
商品名 | 凍頂烏龍茶 四季春 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 2g×15パック |
原材料名 | 茶(四季春) |
原産地 | 台湾産 |
使用方法 | 150~200cc前後の沸騰したお湯で1分強蒸らしてからお飲みください。 2煎、3煎と香り・味わいの変化をお楽しみいただけます。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 蘭のような香りの黄金色の烏龍茶のティーパックです。 安心安全にお召し上がりいただけますので、是非ご賞味ください(^-^) |
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