暑い時期に食べたくなる、うなぎの蒲焼き。土用の丑の日に食べる習慣もあるほど、多くの人に親しまれている特別なごちそうです。
実はうなぎの蒲焼きは、国内でも場所によって作り方に違いがあります。その違いは、大きく関東風と関西風に二分されます。
本記事では、うなぎの関東風・関西風の違いを解説します。
うなぎの蒲焼きの関東風と関西風の違いって?
まずは、うなぎの蒲焼きの、関東風・関西風の違いを表で比較します。
関東風 | 関西風 | |
開き方 | 背開き | 腹開き |
焼き方 | 蒸し焼き | 直火焼き |
うなぎの頭 | 先に切り落としてから焼く | 焼いたあとに切り落とす |
串 | 竹串 | 金串 |
このように同じうなぎの蒲焼きでも、開き方や焼き方などが大きく異なります。各項目の違いを、次の章から詳しく解説します。
【関東風】うなぎの蒲焼き
まずは、関東風のうなぎの蒲焼きの特徴について、項目ごとに詳しく解説します。
関東風うなぎの開き方
関東風のうなぎの開き方は、うなぎの背中側から包丁を入れて開く「背開き」です。
背開きにする理由は諸説あるようですが、有力なのは、関東、なかでも東京(江戸)に武士が多かったこと。
うなぎを腹から開くと、腹を刃物で切る=切腹を連想させます。これが武士の間では縁起が悪いものとされたので、腹ではなく背から開くようにしたとの説があります。
関東風うなぎの頭
関東風のうなぎは、先にうなぎの頭を切り落としてから焼きます。
関東風うなぎの焼き方
うなぎの蒲焼きは、関東・関西ともに、まずはタレを付けずにそのまま串に刺して焼きます。これを白焼き(しらやき)、または素焼きといいます。
関東風のうなぎでは、この白焼きしたうなぎを一度蒸してから、表面をこんがり焼き上げます。蒸す際は、専用の蒸し器に白焼きを入れて、数分間じっくり蒸します。そのあと、蒸した白焼きをタレに浸けて表面を焼く、を何度か繰り返してうなぎを焼き上げます。
最初に一度蒸すことで、うなぎの身の内部まで十分に熱が入り、あとの焼き時間を減らせるのが関東風の特徴です。焼き時間の削減は、せっかちな人が多かったといわれる江戸に合っていたようです。
ちなみに関東風では、うなぎに刺す串は竹串を使います。蒸してふわっとやわらかくなったうなぎの身を竹串でしっかり固定することで、焼いている間に串が抜けづらく、身も崩れにくくなります。
関東風うなぎの質感の特徴
白焼きを一度蒸してから焼く関東風うなぎは、蒸している間にうなぎの身に含まれる余分な脂分が落ちます。その結果、ふわふわでジューシーな食感に。ふっくらした身は、ボリュームが多く見えるメリットもあります。
【関西風】うなぎの蒲焼き
続いて、関西風のうなぎの蒲焼きの特徴を解説します。
関西風うなぎの開き方
関西風のうなぎは、うなぎの腹から包丁を入れる「腹開き」です。これは、関西の商人文化に由来があるといわれています。
関西のなかでも特に大阪は、かつて「天下の台所」ともよばれ、江戸時代にはさまざまな品が集まる商人の町でした。現在も商人文化が強く根付いています。
商人文化では、商売をするうえで、関わる人同士腹を割って本音で話すことが重要でした。そこから、うなぎも腹開きになったのではないかといわれています。
関西風うなぎの頭
関西風のうなぎでは、うなぎの頭は付けたまま焼き、焼いたあとに切り落とします。
関西風うなぎの焼き方
関西風のうなぎは、白焼きを蒸さずに、そのまま直火で焼くのが特徴です。
またうなぎに刺す串も、竹串ではなく金串を使います。金串は金属製なので熱の伝導率が高く、しっかり焼く関西風のうなぎに適しているのです。
関西風うなぎの質感の特徴
関西風のうなぎは、白焼きを蒸さずに焼きます。よって、うなぎの表面はカリッとよく焼けて、香ばしくなります。表面はパリッと焼け、中身はふっくらしているので、異なる質感を同時に楽しめるのが関西風うなぎの特徴です。
うなぎの関東風と関西風の境目はどこ?
このようにうなぎの蒲焼きは、関東と関西で大きく異なります。
しかし関東・関西といってもおおまかな分け方になり、具体的にはどこが境目になるのか気になるところ。実はこの境目には、明確な定義はないようです。目安としては、ちょうど静岡県の浜名湖や天竜川あたりを境目にして、東側までが関東風、西側から関西風に分かれているとの説があります。
浜松
上記のとおり、静岡県の浜松は、ちょうどうなぎの関東風・関西風が分かれる境目にあたるといわれています。よって、浜松周辺では、関東風・関西風どちらのうなぎも食べられているようです。
名古屋
名古屋のうなぎの蒲焼きは、腹開きで頭を落として焼くものが多いです。腹開きなので関西風ですが、関西風では頭は落とさずに焼くので、関西風を少しアレンジしたのが名古屋風といえるでしょう。
ちなみに名古屋のうなぎの蒲焼きのタレは、関東風などに比べて甘みが強く、濃厚なのが特徴です。
うなぎの蒲焼きの美味しい温め方
最後に、うなぎの蒲焼きの美味しい温め方を、関東風・関西風それぞれで解説します。温める際のおすすめの方法は、下記のとおりです。
・関西風うなぎ:グリルやトースター
どの温め方でも、うなぎの皮目(かわめ)が下になるように置いて温めてください。
【関東風】うなぎの蒲焼きの温め方
関東風のうなぎを温める際は、電子レンジやフライパンがおすすめ。ふわっと感を活かすために、うなぎの水分を抜けさせずに温めることがポイントです。
電子レンジなら、うなぎの蒲焼きに調理酒を少量かけて、お皿にラップをして加熱します。調理酒の水分を足してから加熱することで、蒸気が発生し、ふんわりとした仕上がりになりやすいです。また、調理酒に含まれるアルコールが、うなぎをやわらかくするともいわれています。
温め時間は、うなぎの大きさや数、電子レンジの性能などにもよります。目安として、うなぎ一尾あたりにつき、500Wでラップをかけて1分ほど、そのあとラップを外して30秒ほど加熱します。
フライパンなら、フライパンの上にクッキングシートを敷いてからうなぎの蒲焼きを乗せ、うなぎの上から調理酒をふりかけます。電子レンジのときよりも多めにふりかけましょう。フライパンに蓋をしたら、弱火~中火で火にかけ、蒸し焼きにします。数分してフライパンの中に蒸気が出てきたら完成です。
【関西風】うなぎの蒲焼きの温め方
関西風のうなぎをカリッと温めるには、グリルやトースターが適しています。
グリルやトースターの天板の上にアルミホイルシートを敷き、うなぎの蒲焼きを乗せます。うなぎの身に、調理酒を少しふりかけます。あとは230度で3~5分ほどを目安に焼きましょう。
温度や時間は適宜調整して、うなぎを焦がさないように気を付けてください。

山年園で販売しているうなぎについて
山年園でも美味しいうなぎを販売しています。
「うなぎの蒲焼き」は、鹿児島県で養殖された美味しいうなぎの蒲焼き。ジューシーな味わいを真空パックにしており、常温保存も可能です。
「うなぎ茶漬け」は、当店の製品のなかでも特に人気の高い、オリジナルお茶漬けシリーズの1つ。ふっくら仕上げたうなぎの蒲焼きを真空パックにし、だしつゆ・薬味とセットにしました。すべてごはんに乗せてお湯をかけるだけで、風味豊かなお茶漬けを楽しめます。
どちらもご自宅用はもちろん、大切な方への贈り物にもぜひご利用ください。
うなぎの蒲焼き(通常サイズ)
商品名 | うなぎ蒲焼 |
商品区分 | 食品 |
内容量 | うなぎ蒲焼 140g、たれ 10mg、さんしょう 0.1g |
原材料名 | 【うなぎ蒲焼】うなぎ(鹿児島県産)、しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、みりん、水あめ、発酵調味料、澱粉 【添付たれ】しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、水あめ、みりん、発酵調味料、澱粉、うなぎエキス 【添付さんしょう】さんしょう |
保存方法 | 高温多湿を避け常温で保存 |
賞味期限 | 製造日より約5ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
製造所 | 【うなぎ蒲焼】(株)宇美フーズ 福岡県糠屋郡宇美町大字宇美2453-7 【添付たれ、添付山椒】ユタカフーズ(株) 愛知県知多郡武豊町宇川脇34-1 |
うなぎ茶漬け
商品名 | 鰻(うなぎ)茶漬け |
商品区分 | 食品 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 うなぎ15g、だしつゆ:10g、具材:2g |
原材料名 | うなぎ、だしつゆ、具材(あられ、ごま、のり、乾燥みつ葉) |
使用方法 | 【うなぎ茶漬けとして】 温かいご飯の上に鰻と具材をのせ、熱湯とだしつゆをかけて召し上がりください。お好みにより熱湯の量は加減して下さい。わさびを添えるなどお好みに合わせて工夫して頂きますと、一層美味しく召し上がり頂けます。【うなぎめし(炊き込みごはん)として】 ご飯1合に鰻とだしつゆを入れて頂き、炊飯器のスイッチを入れ炊き上げ添付の具材をふりかけて、よく混ぜて召し上がり下さい。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約5ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |


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