国内で作られる和紅茶は、海外産の紅茶とは異なるやわらかな風味が人気です。この和紅茶用に開発されたお茶品種に「べにふうき」があります。べにふうきは紅茶はもちろん、緑茶にしても美味しく楽しめ、さらに珍しい成分を含んでいることで注目を集めています。
今回は、「べにふうき緑茶」を解説します。
べにふうき緑茶とは?
「べにふうき」とは、もともと紅茶用に開発された、日本のお茶の品種です。漢字では「紅富貴」と書き、主に鹿児島県で作られています。アッサム系の「べにほまれ」と、ダージリン系の「枕Cd86」という品種をかけ合わせて作られました。
紅茶用に作られてはいるものの、もちろん緑茶にもできます。それが今回ご紹介する、べにふうき緑茶です。
ちなみにべにふうきなどを使った日本産の紅茶は和紅茶とよばれ、海外産にはない優しい味わいがあります。

べにふうき緑茶と一般的な緑茶の違い
べにふうき緑茶と、一般的な緑茶(やぶきたなどの品種)との大きな違いは、メチル化カテキンの含有量です。
お茶にはカテキンが含まれますが、カテキンのなかにもエピカテキンなどいくつか種類があります。その1つであるメチル化カテキンは、お茶品種のなかでも、べにふうきに圧倒的に多く含まれています。他の品種だと、「やぶきた」にはまったく含まれませんが、他の「ゆたかみどり」や「おくみどり」など一部の品種には少しだけ含まれます。
味で比べても、べにふうき緑茶はメチル化カテキンの含有量が多いため、一般的な緑茶より苦みや渋みが強いです。
べにふうき緑茶の特徴
べにふうき緑茶の特徴を、いくつか解説します。
メチル化カテキンが多い
前述のとおり、べにふうきの特筆すべき点は、メチル化カテキンという成分をたくさん含んでいることです。
メチル化カテキンとはカテキン(ポリフェノールの一種)の1つです。通常お茶にはカテキンが含まれていますが、カテキンのなかでもメチル化カテキンを多く含むのはべにふうきです。
ちなみにべにふうきでも、茶葉を発酵させるとメチル化カテキンは減ってしまいます。つまり、べにふうきを紅茶にすると、メチル化カテキンの含有量は激減するということです。
一方で、ほとんど発酵させずに作られる緑茶であれば、メチル化カテキンが多く含まれたままのお茶になります。メチル化カテキンを摂取したい方には、緑茶のほうがおすすめです。
甘く芳醇な香りがある
べにふうきは、香りが良いことも人気の理由です。特に発酵させて紅茶にすると、甘くフルーティーな香りを楽しめます。緑茶も、紅茶とはまた違った、甘く濃厚な香りを楽しめます。
渋みが強い
べにふうき緑茶は、他の品種の緑茶と比べて渋みが強めです。前述のとおり、べにふうきはもともとは紅茶用に開発された品種なので、渋みが強く出やすいです。加えて、渋み成分であるカテキン含有量も多いので、どうしても渋めのお茶になります。
渋みや苦みを抑えるには、茶葉のままよりも粉末にしたほうが、少し飲みやすくなります。
べにふうき緑茶の副作用について
べにふうき緑茶にはカフェインが含まれます。よって、妊娠中や授乳中の方、夜にお茶を飲みたい方、カフェインの摂取量が気になる方などは、飲み過ぎないように注意してください。
その他は、特段大きな副作用は報告されていないようです。
べにふうき緑茶の味について
Xより、べにふうき緑茶を実際に飲んだ方の、味や香りの感想をいくつか紹介します。
鼻ぐずぐずするので昨日おみやげにいただいた月ヶ瀬健康茶園の有機べにふうき緑茶を飲んでる
おはぎの香りする!(すいません)
餅米と小豆🫘の香り!
美味しい😋#茶好連 pic.twitter.com/JJp1Bx5xkQ— みわこ (@miraclTEA) April 3, 2024
水出しべにふうき(緑茶)、渋めのスッキリしたお味。#茶好連 pic.twitter.com/kcwnWXF3T2
— 皐月@ヌワラエリヤ (@tea_nuwaraeliya) July 20, 2024
耳納の里でいちごマルシェ
しっかりスイーツゲット。
渋味の強いべにふうき緑茶で
うきはのお茶会を開催しました。 pic.twitter.com/gj3CSV1sCY— 堀江銘茶園7代目🍵スイーツ神 (@horiemeichaen19) February 11, 2025
norm tea house @台東区三筋
●GREEN 釜炒り茶 「おくみどり」
●GREEN 釜炒り茶 「べにふうき」
おくみどりは香り、旨味のバランス良い緑茶でずっと飲んでいたい
べにふうきは緑茶ですが製法が烏龍茶よりらしく、烏龍茶と緑茶の間の子的な感じ
どちらのお茶も最高でした…#SIGMAfp pic.twitter.com/QVBh2Y8hXv
— gutti1151 (@Kosaba_R) September 9, 2023
べにふうきの萎凋釜炒り緑茶。入れたてもう少し黄色かったけど放置してたら赤くなってきた。マスカテルじゃないダージリンのファーストフラッシュにありそうな香り、口の中で緑茶のほっこりした香りと味が加わる感じ。75〜70℃くらいで2,3分?でてきとうに。温度上げても下げても面白そう pic.twitter.com/cq5XHZJ3oZ
— ぼむ (@bommiekirsikka) March 27, 2022
かりんとう饅頭と緑茶の静岡県産「べにふうき」ですが、べにふうきは味が濃いですね。渋いと聞いていたがそんな事はなかった。ちょっと香ばしいのは炒ってあるからですね。 pic.twitter.com/OXYyRD0hKb
— 篠っち (@shinocchi888) April 4, 2018
べにふうき緑茶を飲むと、香ばしさや、強い渋みを感じる方が多いようですね。繊細な渋みと香りの良さは、やはり紅茶用に作られた品種だけあります。
べにふうき緑茶の入れ方
メーカーにもよりますが、べにふうき緑茶は粉末状で販売されていることが多いです。メチル化カテキンを余すことなく摂取するためにも、茶葉まるごと粉砕した粉末のほうが、よりメチル化カテキンを摂取しやすいといわれているためです。
粉末状のべにふうき緑茶の淹れ方は、湯呑みやマグカップに粉末を入れて、熱湯を注いでよく混ぜるだけ。メチル化カテキンは熱いお湯に溶けやすいので、熱湯で淹れることで、メチル化カテキンが十分に抽出されるといわれています。
ただし、熱湯で淹れるとどうしても苦みや渋みも強くなってしまいます。苦みが気になる方は、熱湯ではなく、80度ほどの少し冷ましたお湯で淹れる飲み方のほうがおすすめです。
山年園で販売しているべにふうき緑茶について
当社でも美味しいべにふうき緑茶を販売しております。
静岡県掛川市の日坂地区で栽培されたべにふうきは、深みのある味わいとさわやかな香りが特徴です。粉末状なので、飲みたい分だけ湯呑みやマグカップに入れて、いつでも気軽にべにふうき緑茶をお楽しみいただけます。メチル化カテキンを効果的に摂取したい方にもおすすめです。
べにふうき
商品名 | べにふうき |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 40g |
原材料名 | 緑茶 |
原産地 | 日本産 静岡県掛川市産 |
使用方法 | 付属のマドラーで大匙1杯(1g)ほど湯のみなどに入れ、お湯や水などで溶かしてお飲みください。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | メチル化カテキンは体内に3~4時間程とどまりますので、1日、2~3回に分けてお飲みいただくことをお勧めいたします(^-^) |


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