菊芋(キクイモ)は国内であまり流通していないため、なじみのない方が多い野菜かもしれません。しかし味わいはクセがなく、食物繊維をはじめとする栄養成分の宝庫でもあるため、メリットが多いおすすめの野菜です。
本記事では、菊芋(キクイモ)の栄養成分を解説します。
菊芋(キクイモ)とは?
菊芋(キクイモ)とは、北アメリカ原産の野菜です。北アメリカを中心に、ネイティブアメリカンが食用にしていたことでも知られています。
芋という名前が付いていますが、ナス科のジャガイモやヒルガオ科のさつまいもなどとは異なり、キク科の多年草です。キク科の植物は、ほかにゴボウや春菊、レタスなどがあります。
菊芋は、菊の花に似た黄色い花を咲かせます。さらに実の見た目が芋のように見えることから、菊芋の名が付いたと思われます。
菊芋の見た目は薄いベージュや黄色のような色合いで、ごつごつしておりショウガに似ています。皮は薄いので、よく洗えば皮付きのまま食べられます。生でも加熱しても食べることができ、生だとシャキシャキとしたレンコンに似た食感、加熱するとホクホクとしたじゃがいものような食感を楽しめます。ほんのり甘く、ゴボウを思わせる土っぽい香りもあります。
菊芋はさまざまな栄養成分を含んでいますが、特に注目されているのがイヌリンの含有量の多さです。イヌリンについて次に詳しく解説します。

菊芋(キクイモ)の特筆すべき栄養成分、イヌリンとは?
前述のとおり、菊芋に含まれる栄養成分のなかでも特筆すべきはイヌリンです。イヌリンは水溶性食物繊維で、菊芋の他にゴボウやにんにく、たまねぎなどにも含まれます。なかでも、菊芋の含有量がトップクラスといわれています。
イヌリンの特徴は、難消化性の食物繊維であること。人間の体内にある消化酵素で消化されづらいので、食道や胃などで消化されずに大腸まで届きやすいのが特徴です。
菊芋(キクイモ)の栄養成分
菊芋には、イヌリンの他にもさまざまな栄養成分が含まれています。イヌリン以外に、菊芋に含まれる主な栄養成分をいくつかご紹介します。
カリウム
カリウムは必須ミネラルの1つです。人間の体内では生成できないため、食物から摂取する必要があります。菊芋はこのカリウムの含有量が多く、菊芋100gあたりに610mgほども含まれるといわれています。
セレン
セレンとは必須微量ミネラルの一種です。必須微量ミネラルとは、我々の体に不可欠な必須ミネラルのうち、1日の摂取量目安が100mg未満のもの。セレンは、菊芋の他にマグロやいわし、たらこなどに多く含まれています。
ビタミン類(ビタミンC・ビタミンB群など)
菊芋にはビタミン類も含まれます。なかでも多めなのが、ビタミンCとナイアシンです。ナイアシンはビタミンB群の1つで、タンパク質や脂質などのエネルギー代謝に欠かせません。同じくビタミンB群の1つである葉酸も含まれています。
菊芋(キクイモ)の副作用
このように菊芋にはさまざまな栄養成分が含まれますが、一方で副作用のリスクもゼロではありません。菊芋を食べることで考えられる副作用を、いくつか解説します。
イヌリンの多量摂取
菊芋にたっぷり含まれているイヌリンは食物繊維なので、一度に摂取しすぎると腹痛や便秘、下痢、お腹の張りなどを引き起こすことがあります。特にお腹が弱い方は、菊芋を一度に食べ過ぎないようにしましょう。
カリウムの多量摂取
菊芋はカリウムを多く含んでいるため、腎臓に疾患がある方は注意が必要です。腎機能が弱っている方がカリウムを多量摂取すると、腎臓がカリウムを排出しきれずに溜まってしまい、高カリウム血症になるリスクがあります。腎臓に疾患などがある方は、菊芋の摂取量にくれぐれも気を付けてください。
菊アレルギーの可能性
菊芋はキク科の植物です。そのため、菊などキク科の植物にアレルギーがある方は、菊芋でもアレルギー症状が出る可能性があります。最初は少量から摂取するなど、様子をみてください。
妊娠中や授乳中もOK
菊芋にはカフェインは含まれないので、基本的には妊娠中や授乳中でも問題なく摂取できるといわれています。不安な方は、かかりつけ医に相談してから食べるようにしてください。
菊芋(キクイモ)の栄養を無駄にしない!食べ方のポイント
せっかくの菊芋の栄養成分は、なるべく無駄にせず摂取したいところ。そこで、菊芋の栄養成分をできるだけ効率良く摂取できる、食べ方のポイントをご紹介します。
皮ごと食べる
菊芋の栄養成分のなかでも特に多いイヌリンやカリウムなどは、実よりも皮部分に多めに含まれているといわれています。よって、できれば皮はむかずに、皮ごと食べるのがおすすめです。
菊芋の皮は、見た目がゴツゴツしていて食べづらそうですが、意外と薄いです。よく水洗いすれば、問題なく食べられます。
加熱するなら煮込み料理やスープに
菊芋に多めに含まれるイヌリンやビタミンC、ビタミンB群は水溶性の成分です。水に溶けだしやすい性質があるため、菊芋を茹でる際は、茹でた汁を捨てずにまるごと食べられる調理法がおすすめです。例えば味噌汁や野菜スープ、ポタージュなどが良いでしょう。
乾燥させた菊芋パウダーもおすすめ
日本国内では、生の菊芋を売っているお店は多くありません。生の菊芋を入手するのが難しいようであれば、市販の菊芋パウダー(菊芋粉末)がおすすめです。
菊芋パウダーは、生の菊芋を乾燥・粉砕させた粉状の食品で、料理や飲み物にサッと振りかけるだけで手軽に菊芋の栄養成分を摂取できる優れもの。味噌汁やシチュー、野菜炒めやチャーハンなどに振りかけたり、飲み物ならお茶やコーヒー、牛乳などに混ぜたりしても。菊芋は意外と味のクセが強くないので、料理や飲み物の味を邪魔しにくいです。

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