「掛川茶」は、静岡県掛川市でとれるお茶で、特に深蒸し茶が有名。
数々の品評会で賞を受賞している銘茶です。
この記事では「掛川茶」の特徴や魅力についてご紹介します。
掛川茶とは?静岡県掛川市のお茶
掛川茶(かけがわちゃ)は、静岡県掛川市で生産されたお茶で、全国茶品評会で産地賞を20回受賞しています。
温暖な気候と適度な雨、なだらかな傾斜など、お茶の栽培にはぴったりの環境で、掛川市での栽培は400年前から始まったとされています。
現在、全国のお茶のおよそ6%を生産している掛川市では、1,400軒ほどの農家が市の面積の約1割に相当する2,360ヘクタールの土地でお茶を栽培しています。
掛川茶は深蒸し茶が有名
お茶というと、煎茶(浅蒸し、普通蒸し)が一般的ですが、掛川茶では「深蒸し茶」がよく作られます。
通常のお茶は茶葉を10秒~1分ほど蒸すのに対し、深蒸し茶は2~3分ほど蒸します。
蒸し時間が長いため、通常のお茶よりも茶葉が細かく、粉や小さい茶葉が多く混じっています。
また、掛川茶には、「天葉(あまね)」と呼ばれる最高級ブランド茶があります。
「天葉(あまね)」は、掛川市推奨品種のやぶきた、さえみどり、つゆひかりの一番茶を厳選したものに冠されるもので、「本場の本物」と呼ばれるブランドにも認定されている一流のお茶です。
新茶の時期は、4月中旬から5月中旬
掛川茶の新茶の時期は、一般的なお茶と同じく4月中旬~5月下旬です。
新茶の時期は年度や場所で異なりますが、桜の開花とともに新茶のシーズンを迎えるのが一般的です。
新茶として一番茶が摘まれるのは5月下旬までですが、新茶として茶葉を購入できるのはおよそ8月までです。
それ以降は、二番茶(6月)、三番茶(7~8月)となり、早く摘み取られたお茶ほど葉が柔らかく香りや旨味成分が多いため、値段が高くなります。
掛川茶の味の特徴
掛川茶は茶葉を蒸す時間が長いため、苦味や臭みが抑えられているのが特徴です。
美しく鮮やかな明るい緑色で、雑味なくスッキリした香りは飲む人を選ばず、老若男女に愛されています。
軽さや上品さを兼ね備えたコクや甘み、まろやかさが特徴の掛川茶は万人に受け入れられる日本人好みのお茶です。
掛川茶の美味しい入れ方
掛川茶を美味しく入れる方法は以下の通り。
茶葉の量や浸出時間は目安なので、調節しながらお好みの味を探ってみましょう。
2. 茶碗に沸かした人数分のお湯を入れる(お湯の温度を下げるため)
3. 急須に茶葉を入れる(3~4人分で6~10gが目安)
4. 急須にお湯を注ぎ、30~60秒ほど浸出させる
5. まわし注ぎをする。最後の一滴まで注ぎ切る
水はフィルターや浄水器でろ過したものなら、何を使っても問題ありません。
沸騰したお湯を一度茶碗に注ぎ、お湯の温度を下げてから茶葉を使うと良いです。
お湯の温度が高いと、旨みや甘みなどと一緒に苦味や渋味などの雑味も出てしまうので注意です。
時間がない場合や手間を掛けるのが面倒だという場合には、お湯や水に溶かすだけで飲めて片付けが簡単な粉末緑茶がおすすめです。
まとめ
今回は静岡県のお茶「掛川茶」についてお伝えしました。
茶葉の量や浸出時間を調節したりお湯の温度を少し下げたりするなど、美味しく入れるにはちょっとしたコツがいります。
ひと手間かけた掛川茶の美味しさは、お茶の良いところだけを抽出したような日本人好みの味わいです。
数ある銘茶の中でも掛川茶は比較的手が届きやすい値段で手に入るので、来客用や普段遣いとして気軽に味わってみてください。




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