日本茶や煎茶、緑茶、番茶、抹茶、玉露など、お茶にはたくさんの種類がありますが、あなたはお茶によって異なる特徴の違いを説明できますか?
今回紹介する「白折(しらおれ)」もお茶の一種ですが、玉露や抹茶などに比べるとそこまで知名度は高くありません。
ということで、今回は白折の特徴や味わい、ほかのお茶との違い、白折のおいしい入れ方などについて詳しく紹介していきます。
こちらの記事を読んで白折の魅力を知り、正しい入れ方で自分好みのおいしいお茶を味わいましょう。
白折(しらおれ)とはどんなお茶?
白折は、寿司屋の「あがり」に使われる粉茶(こなちゃ)と同じく、煎茶や玉露などの仕上げの途中に出てくる副産物(出物)を使った茎茶です。
低級品のお茶と見られがちですが、茶茎が玉露や上煎茶のものもあり、高級な白折は「上白折」と呼ばれることもあります。
近年では、スターバックスが「加賀 棒ほうじ茶 フラペチーノ」を発売したこともあり、棒茶や茎茶の認知度が一気に高まりました。
「白折(しらおれ)」と「雁ヶ音」「棒茶」「茎茶」の違い
白折と混同する言葉に「雁ヶ音(かりがね)」「棒茶(ぼうちゃ)」「茎茶(くきちゃ)」があります。
棒茶と茎茶は同じ意味の言葉で、地域によって言い回しが変わります。
特に、京都では高級玉露や上煎茶の茎から作られた茎茶を「白折」「雁ヶ音(かりがね)」と呼びます。
白折(しらおれ)に含まれる成分
白折は茶葉を元にした煎茶や玉露と異なり、テアニンが多く含まれています。代表的な成分は以下の通り。
・タンニン
・カフェイン
・アミノ酸(テアニン、有機酸など)
・ビタミン(C、B2、E、葉酸、βカロテン)
・ミネラル(カリウム、カルシウムなど)
・サポニン
・フッ素
・クロロフィル
白折(しらおれ)の味の特徴は?
白折は煎茶や抹茶、玉露などと違って色が薄く、サッパリとした爽やかさや甘み、ほのかな青臭さがあります。
苦味や渋みが少ないので、お茶特有の苦味があまり得意でない人も飲みやすいです。
お茶の旨みと甘み成分である「テアニン」は光が当たることで苦味成分の「カテキン」に変わるため、陽をたっぷり浴びた茶葉を集めて製造される煎茶や玉露などは苦味が強くなります。
一方、日が当たりにくい茎を集めた白折にはカテキンよりもテアニンの方が多く、甘みや旨みが強く感じられるのです。
茎の出物。
白折の原料を作る際に出るものなのですが、水色は綺麗で、味はさっぱりしていてとても飲みやすい。
冷めても美味しい。糸のように細いのが特徴! pic.twitter.com/xkZD56Jcqs— じょん /日本茶の淹れ手 (@photo_Jn) July 28, 2020
「白折 スイート」
茎茶は比較的さっぱりで後味にほんのり甘みがのって来るけれど、この白折 スイートは終始甘さがとおっていく印象、美味しい。 pic.twitter.com/UYaO6szPUY— じょん /日本茶の淹れ手 (@photo_Jn) May 12, 2021
白折(しらおれ)の美味しい入れ方
白折をおいしく入れるには、以下の3つのポイントに注目しましょう。
・お湯の温度は80~90℃
・30秒くらい蒸らして注ぐ
5分ほど沸騰させてカルキを抜いたお湯を少し冷ましてから使うことで、苦味や渋味を抑えながら甘みと香りを引き立てることができます。
多めの茶葉を使って短時間で入れると、雑味がなくクリアで深い甘みを感じられる白折らしい味わいを楽しめます。
複数の湯呑に注ぐときは少しずつ回し注ぎし、最後の一滴までしっかりと湯呑に注ぐことでおいしさが堪能できますよ。
まとめ
今回は白折の特徴や成分、おいしい入れ方などをまとめて紹介しました。
最後に簡単なまとめを。
・呼び方が違うだけで、棒茶や茎茶、雁ヶ音と同じもの
・煎茶などと同じような成分を含む(カフェインも)
・白折は苦味や渋味が少なく、甘みや軽さ、少しの青臭さが特徴
・短い時間でサッと入れるとおいしい
お茶をつくる段階で生まれた副産物である白折は「おまけ」とも言える存在で、安価で味気ないものと思っている人も少なくありません。
しかし、白折には煎茶や抹茶、玉露などにはない良い点がたくさんありますし、白折ならではのおいしさに病みつきになる人も実際多いです。
ぜひこの機会に白折を味わってみてはいかがでしょうか?
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