ひとくちに抹茶といっても、産地や品種、濃度などによっていくつかの種類に分けることができます。今回は、知っているとより抹茶を楽しめる、抹茶の種類について解説します。
抹茶とは?
そもそも抹茶の定義とは何なのでしょうか?抹茶とは、碾茶(てんちゃ)を茶臼(ちゃうす)などで細かく挽き、粉末状にしたお茶を指します。
碾茶の特徴は、被覆栽培で育てられること。通常の煎茶などのお茶は、チャノキが直接日光や風にさらされます。一方の碾茶では、チャノキの表面を藁やむしろ、こもなどで覆います。こうすることでチャノキに直接日光が当たるのを防ぎます。
茶葉に含まれる甘み・旨み成分であるテアニンは、日光に当たることで光合成を行い、苦み・渋み成分であるカテキンに変化していきます。つまり覆いをかけられて光合成を抑える被覆栽培では、茶葉のテアニンがカテキンに変化せずそのまま残るので、甘みや旨みが強いまろやかなお茶になります。これが抹茶のもとになる碾茶です。
抹茶の種類その1:濃茶と薄茶
抹茶の種類は、大きく濃茶(こいちゃ)と薄茶(うすちゃ)の2つに分けられます。それぞれ特徴を解説します。
薄茶(うすちゃ)
一般的にイメージされる抹茶は、この薄茶であることが多いです。薄茶はお薄(おうす)ともよばれます。
薄茶はその名のとおり、濃度が薄めの抹茶です。少なめの抹茶を使うので、見た目の色合いは白味を帯びた若草色で、お茶のテクスチャーもサラサラしています。
お茶を作るときは茶筅でシャカシャカと泡を立てるように作るので、薄茶を「点てる(たてる)」と表現します。味わいも軽く、香りもさわやかで、さらっと飲みやすい抹茶です。
濃茶(こいちゃ)
一方の濃茶(こいちゃ)は、薄茶の2~3倍もの抹茶を使っています。お濃(おこい)ともよばれます。
濃茶の特徴はまったりした濃厚な味わい。見た目も深い緑色で、お茶はとろりとして粘度があります。旨みや甘みも強く、しっかりした味わいです。
作るときも、少量のお湯を入れて練るように混ぜるので、濃茶を「練る」といいます。
濃茶には抹茶本来の味わいを濃くダイレクトに味わえるので、使われるのは高級な限られた抹茶のみ。そのため薄茶よりも濃茶のほうが格式が高く、特別なときに使われることが多いです。
抹茶の種類その2:産地
抹茶は産地でも分けられます。抹茶の産地として特に有名なのは、京都の宇治市や和束町(わづかちょう)、愛知の西尾市などです。
それぞれの抹茶の特徴を解説します。
京都の宇治市や和束町
京都の宇治市は、いわずと知れた抹茶の名産地です。宇治市周辺で作られるお茶は宇治茶とよばれ、静岡茶、狭山茶と並んで日本三大銘茶にも数えられています。宇治の抹茶は、見た目は少し薄い黄緑色。味も、最初にほんのり渋みを感じ、あとからまろやかな甘みや旨みを感じます。
宇治と同じく京都の有名な抹茶の産地が和束町です。和束町で作られる和束茶は、正確には宇治茶の1つで、宇治茶の約半分を占めています。
和束町は、京都府南部にあるお茶の名産地。標高が高いのが特徴で、高い山々に囲まれているため朝晩の気温差が激しく、霧も発生しやすいので、美味しいお茶が育つのに適した環境です。
和束町で作られる抹茶は、渋みが少なく、あっさりした飲み口です。被覆栽培されたことで覆い香という独特な海苔のような香りがあります。
愛知の西尾市
愛知県南部に位置する西尾市は、美しい三河湾に面する場所です。西尾市周辺で作られているのが西尾茶というブランド。
西尾茶の実に9割ほどが抹茶のもとになる碾茶で、全国的にみても碾茶の生産量の2割がここ西尾市で作られています。
西尾の抹茶の特徴は、濃厚なこと。宇治の抹茶に比べても、色は深みのある緑色で、味も濃厚なコクと甘み・旨みを感じられます。香りも強いです。
抹茶の種類その3:品種
お茶にはさまざまな品種がありますが、数ある品種のなかでも特に抹茶に適したものがあります。品種によって、作られる抹茶の味わいや香りなど微妙に異なります。
抹茶に合う品種のなかから、代表的なものをいくつかご紹介します。
やぶきた
やぶきたは静岡県が主産地の品種で、全国のお茶の生産量がもっとも多く、国内で生産されるお茶の約7割も占めています。やぶきたの味の特徴は、何といってもバランスの良さ。渋み・苦みと甘み・旨みをバランス良く味わえ、クセがなく非常に飲みやすい品種です。
おくみどり
おくみどりは、前述のやぶきたと「静岡在来16号」という品種をかけ合わせてできた品種です。特徴はそのまろやかな甘さ。渋みや苦みは少なく、甘みや旨みが強いので、抹茶に適した品種です。おくみどりの名前のとおり、深みのある美しい緑色もポイントです。
さみどり
さみどりは、京都府で作られた品種です。お茶の品種は、いくつかの品種を親としてかけ合わせてできることが多いのですが、さみどりはもともと京都で作られていた在来種です。上品な旨みや香りが強いことから被覆栽培に適した品種で、抹茶や玉露にぴったりです。さわやかな柑橘類を思わせる香りがあります。
ごこう
ごこうも、京都で生まれたお茶の品種です。旨みが強いのが特徴です。まろやかな味わいで玉露によく使われていますが、抹茶にも使われます。摘み取りの期間が短く希少な品種です。
うじひかり
うじひかりも京都の品種で、玉露や抹茶に使われます。濃厚な甘みと旨みのなかに程良い苦みを感じられ、クセもなくとても美味しい品種です。水色も濃い緑で目でも楽しめます。
あさひ
抹茶になる碾茶品種のなかでも、もっとも値段が高くなるといわれる高級品種です。摘み取り期間が短く、早生品種であるため、栽培面積を増やすことが難しく希少性が高いです。上品な旨みを感じられ、濃厚な味わいは濃茶にぴったり。
抹茶の美味しい点て方・練り方
抹茶の美味しい作り方を簡単に解説します。細かい方法は流派によって異なるため、下記とは違うこともあります。ご自身の流派のやり方は別途ご確認ください。またどの場合でも、抹茶はあらかじめ茶こしでこして、サラサラの状態にしておきます。
薄茶(うすちゃ)の点て方
あらかじめ温めておいた茶碗に、1~2gほどの抹茶と、60ccのお湯を入れます。お湯は熱湯ではなく80度ほどに少し冷ましたものを使いましょう。片手で茶碗を抑えながら、もう片方の手で茶筅(ちゃせん)を使い、茶筅をシャカシャカと動かしながら泡立てます。泡立て方も流派によって異なります。点てた抹茶はすぐに飲みましょう。
濃茶(こいちゃ)の練り方
濃茶の場合も、あらかじめ茶碗を温めておきます。そこに5gほどの抹茶を入れます。薄茶が1~2gほどなのに比べ、濃茶では2倍以上の5gほどの抹茶をたっぷり使います。そこに80度ほどに冷ましたお湯を40cc入れます。お湯は茶碗に一度に入れずに、数回に分けて入れましょう。あとは茶筅でゆっくり練るように丁寧に混ぜます。
山年園で販売している抹茶について
山年園でもさまざまな種類の抹茶を販売しています。それぞれ微妙に異なる甘みや香り、口当たりなどをぜひお楽しみください。
抹茶(神楽殿)
商品名 | 抹茶 神楽殿 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 【1缶あたりの内容量】 30g |
原材料名 | 緑茶 |
原産地 | 日本産 京都府宇治市 |
使用方法 | お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。 少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約8ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする最高級な宇治のお抹茶です(^-^) |
八女の奏
商品名 | 抹茶 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 30g |
原材料名 | 緑茶(福岡県産) |
賞味期限 | 製造日より約1年 |
保存方法 | 高温多湿を避け、移り香にご注意ください。 |
使用上の注意 | お茶は鮮度が大切です。開封後はお早めにお飲みください。 |
加工者 | 株式会社 吉田園 福岡県八女市黒木町本分1159-5 |
販売者 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 緑茶の産地 八女の抹茶です。旨味とコクが堪能できます。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた抹茶を是非ご賞味ください(^-^)/ |
おくみどり
商品名 | 有機抹茶 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 【1缶あたりの内容量】 30g |
原材料名 | 有機抹茶 |
原産地 | 日本産 静岡県 |
使用方法 | お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。 少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約7ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする最高級なお抹茶です(^-^) |
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