お茶の種類は、発酵具合によって発酵茶や半発酵茶、不発酵茶などに分かれます。なかでも、日本人にとって最もなじみのあるお茶が「不発酵茶」。
不発酵茶とは、熱処理を加えた後に茶葉の発酵(酸化)を止めてから作られるお茶の総称を言います。私たちが日頃より飲んでいる日本茶もここに分類されます。
今回は、この不発酵茶の概要や製造方法、種類などについて解説します。
不発酵茶とは?
不発酵茶(ふはっこうちゃ)とは、茶葉の発酵(酸化)を止めてから作られるお茶です。
煎茶やほうじ茶などから、玉露、抹茶などの高級茶まで、日本茶(緑茶)はほぼすべて不発酵茶に該当します。
チャノキから摘み取られた茶葉は、時間経過とともに発酵が進みます。その発酵をさせないように、摘んだ茶葉をすぐに加熱処理して発酵を止めるのが不発酵茶です。
ちなみに、加熱処理して酵素を不活性化し、発酵を止めることを「殺青(さっせい)」といいます。
そのほか加熱処理には、蒸す、釜炒り、天日干しなど、いくつかの方法があります。
不発酵茶の水色はなぜ緑色なのか?
茶葉の中には、クロロフィルという葉緑素が含まれています。クロロフィルは天然の緑色の色素で、そのままにしておくと茶葉に含まれる酸化酵素の働きによって発酵(酸化)し、褐色に変化します。
摘んだ茶葉にすぐ加熱処理を施すことで、発酵は起こらず、クロロフィルが残ります。そのため、不発酵茶は緑色の水色のお茶が多いのです。
不発酵茶のカフェインについて
不発酵茶はカフェインを含みますが、お茶の種類によってそれぞれ含有量は異なります。
若い茶葉のほうがカフェイン含有量が多いといわれており、若い芽を摘んで作られる玉露は、不発酵茶のなかでもカフェイン含有量が圧倒的に多いです。
100mlあたりのカフェイン含有量で比較すると、煎茶やほうじ茶は20mg、番茶10mgに対して、玉露は160mgもあります。
一方で、ほうじ茶は茶葉を焙じる過程でカフェインが飛ぶため、含有量が少なくなります。玄米茶も、茶葉と玄米を混ぜているためカフェイン含有量は少ないです。
不発酵茶の種類
前述のとおり、日本茶(緑茶)に分類されるお茶はすべて不発酵茶です。
不発酵茶の種類を、いくつかピックアップしてご紹介します。
煎茶
煎茶は、日本茶のなかでも特に日常的に親しまれているお茶です。
茶葉の芽が出てから摘み取られるまで、ずっと日光にさらされた状態で作られます。そのため茶葉はしっかり光合成をして、たくさんのカテキンが作られます。
カテキンが多いため、程良い渋味と苦味がありながら、さわやかな香りもあり飲みやすいお茶です。
番茶
番茶は、若葉ではなく成長したお茶の葉を原料として作られるお茶です。
味はすっきりとしてクセがなく、飲みやすいです。他のお茶に比べると価格は比較的安い傾向があります。
ほうじ茶
ほうじ茶とは、煎茶や番茶などの茶葉や茎を焙じたお茶の総称を指します。
強火で焙じることで茶葉は赤褐色に変化し、水色も茶色っぽくなります。
焙じることで、苦味や渋味のもとになるカフェインやタンニンが飛ぶため、まろやかで甘い味わいになります。
玉露
玉露は、煎茶などとは異なり、茶葉を藁などで覆う被覆栽培で作られるお茶です。
直接日光を浴びないことで、旨味成分のテアニンが苦味成分のカテキンに変化するのを防ぎます。
奥行きのある甘みと旨味が特徴です。品質が良いものほど、甘みや旨味が強くなり、香りが強く立ちます。
ただし、玉露は茶葉の若い芽を使うため、カフェイン含有量は不発酵茶のなかでも突出して多いです。
また、値段は煎茶の4倍ほどになることが多く、高級茶として知られています。
玄米茶
玄米茶は、煎茶や玉露、番茶などの緑茶と、炒った玄米を合わせたお茶です。
玄米特有の香ばしい風味が特徴です。製品にもよりますが、お茶と玄米をほぼ同量に混ぜた玄米茶が多いです。
玄米を混ぜることで茶葉の量が少なくなるため、カフェイン含有量が抑えられます。
釜炒り茶
蒸して作る煎茶と違い、高温の釜の中でじっくり茶葉を炒って、熱処理するお茶です。
釜の中で熱することで、茶葉はくるんと丸まった勾玉のような形状になります。
また炒ることで、「釜香(かまこう・かまか)」とよばれる独特な香りが生まれます。
不発酵茶の作り方・製造工程
不発酵茶は、熱処理方法の違いによって、大きく「蒸し製」と「釜炒り製」の2つに分けられます。
蒸し製
茶葉を蒸して発酵を止める「蒸し製」は、日本で一般的な製造方法です。
摘んだ茶葉に蒸気をあてて発酵を止めてから、粗揉(そじゅう)して水分を均一にします。何度も茶葉を揉んで水分を取り除きながら整形して乾燥させます。
ちなみに、蒸し時間によってお茶の呼称が異なります。
20~30秒ほど蒸したお茶は「浅蒸し茶」、30~40秒ほど蒸したお茶を「中蒸し(普通蒸し)茶」、40~60秒ほど長めに蒸したお茶を「深蒸し茶」とよびます。
釜炒り製
「釜炒り製」は、釜で茶葉を炒って発酵を止める製法です。釜炒り茶がこの方法によって作られます。
蒸し製では、茶葉を蒸して発酵を止めますが、釜炒り製では釜で茶葉を炒って発酵を止めます。摘み取られた茶葉はすぐに300度ほどの高温の釜の中に入れられ、じっくりと炒られます。
釜で熱処理をしたあとは、蒸し製同様、粗揉・揉捻などの工程を経て乾燥させます。
お茶の発酵の違い
お茶の発酵具合によって、種類は不発酵茶のほかに、「発酵茶(完全発酵茶)」や「半発酵茶(微発酵茶)などに分けられます。
発酵茶(全発酵茶)
茶葉を完全に発酵させたお茶です。紅茶が発酵茶に該当します。
完全に発酵させることで茶葉は赤褐色へ変わr、水色も茶色っぽくなります。
また発酵することでフルーティーな独特の香りが生まれます。
半発酵茶
茶葉が完全に発酵する前に発酵を止めたお茶です。烏龍茶などが半発酵茶に該当します。
ちょうど発酵茶と不発酵茶の中間にあたります。半発酵茶のなかでも、ほんの少し発酵させたお茶は、微発酵茶(弱発酵茶)とよばれることがあります。
後発酵茶
後発酵茶(こうはっこうちゃ)は、摘んだ茶葉をすぐ加熱して酸化(発酵)を止め、揉捻や乾燥などを行ったあとに、微生物を使って発酵させたお茶です。
カビや乳酸菌などの微生物で茶葉をじっくり発酵させるため、漬物に似た独特の酸味を感じます。
後発酵茶は世界的にも珍しく、中国の雲南省をはじめ、東南アジアや日本の一部でしか見られません。代表的なものには、プーアル茶や碁石茶、阿波番茶、バタバタ茶などがあります。
山年園が販売する不発酵茶について
当社でも、さまざまなオリジナルの不発酵茶(日本茶)を販売しております。
いろいろな不発酵茶を飲み比べて、お気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
とげぬき地蔵茶
商品名 | とげぬき地蔵茶 |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 100gまたは200g |
原材料名 | 茶葉 |
原産地 | 日本[Made in Japan] 静岡県掛川市 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 当店限定の巣鴨とげぬき地蔵茶です。 参拝茶と比べて、茎を抜いてあり、渋い味が特徴的です(^-^) |
玄米茶
商品名 | 玄米茶の素 |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】200g |
原産地 | 日本産 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約10ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 本当の玄米茶好きの方は素から選びます(^-^) |
ほうじ茶
商品名 | とげぬきほうじ茶 ティーパック |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 3g×15パック |
原材料名 | 緑茶 |
原産地 | 静岡県産 |
使用方法 | 本品をマグカップに1袋入れ、熱湯を注ぎます。 お茶が浸出するまで待ちます。 お好みの濃さになりましたら袋を取り出してください。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 当店のとげぬきほうじ茶ティーパックは、山年園だけのオリジナル商品です。 老舗のお茶屋がこだわり抜いたとげぬきほうじ茶を是非ご賞味ください(^-^) |
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