四万十川をはじめとする美しい自然に囲まれた高知県。この地特有のきれいな水や空気は、美味しいお茶を育み、土佐茶とよばれ親しまれています。
土佐茶とは?
土佐茶(とさちゃ)とは、高知県で生産されるお茶の総称です。
高知県には仁淀川(によどがわ)や四万十川(しまんとがわ)など、水質が良く透明度の高い川が多く流れています。その川流域の山間部で作られるのが土佐茶です。
山深い場所ならではの朝晩の気温差と深い霧、仁淀川や四万十川などの美しい水という恵まれた条件で作られる土佐茶は、しっかりとした旨みやコクがあり、水色も澄んだ黄金色。そのクオリティに定評があります。
品質の高さから、京都府や静岡県など他のお茶の名産地にも出荷され、各地の高級茶にブレンドされています。
土佐茶の産地とブランドについて
土佐茶が主に作られているのは、仁淀川町(によどがわちょう)、津野町(つのちょう)、四万十町(しまんとちょう)など北西部が多いです。茶園のほとんどが傾斜10%以上の山の斜面にあるのも、土佐茶の特徴です。
一口に土佐茶といっても、多数のブランドが存在します。ここでは、代表的なものをいくつかご紹介します。
沢渡茶(さわたりちゃ)
高知県吾川郡沢渡地区で生産される土佐茶の一つで、近年その個性と品質の高さから全国的に注目を集めるようになったブランド茶です。沢渡地区は、標高約400〜600メートルの山間部に位置し、昼夜の寒暖差が大きく、霧が発生しやすい気候条件にあります。
沢渡茶の魅力は、そのすっきりとした飲み口とともに、口の中に広がるやわらかい甘みと山間地らしい繊細で上品な香りにあります。渋みが少なく、苦味の角が取れていて何度飲んでも飽きが来ないやさしい味わいは、日常のリラックスにぴったり。
池川茶(いけがわちゃ)
池川茶は、高知県吾川郡池川地域で生産されている土佐茶の一つ。澄んだ空気と豊かな自然に恵まれた環境の中で育てられるのが大きな特徴です。
この地は日本三大清流のひとつとされる仁淀川(によどがわ)流域に位置しており、その水の清らかさは「仁淀ブルー」とも称されるほどで、池川茶の香味にもその清涼な水質が反映されています。
池川茶の味わいは、まろやかさと清涼感のバランスが絶妙で、渋みが控えめながらも深みのある旨味が特徴。土佐茶全般に共通して、さっぱりとした飲み心地が感じられますが、池川茶はその中でも特に「優しさ」や「柔らかさ」を備えたお茶といえるでしょう。
霧山茶
霧山茶は、高知県高岡郡の日高村で作られる土佐茶です。
霧山茶は、茶葉を春に摘み取ったあと、低温で貯蔵しておきます。夏頃になると茶葉が熟成されて、まろやかな味わいになります。この熟成されたやわらかな甘みと香りが霧島茶の特徴です。
十和茶(とおわちゃ)(四万十茶)
十和茶(とおわちゃ)は、高知県高岡郡四万十町十和地域で栽培される土佐茶のひとつで、四万十川流域の恵みを受けて育つ、風味豊かな山間地の銘茶です。
茶葉の芯とすぐ下の3枚の葉を一緒に摘み取る一芯三葉(いっしんさんよう)で摘み取られるため、力強い味わいを楽しめます。
津野山茶
高知県高岡郡津野町を中心とした山間部で生産される土佐茶の一つで、四国山地の豊かな自然と霧深い気候に育まれた香り高くまろやかな味わいが特徴。
煎茶としては、やや濃いめの水色とコクのある味わいが印象的で、一口飲むとしっかりとした茶葉の厚みが感じられます。ただ、苦みや渋みが少ない傾向にあります。
土佐茶の特徴について
土佐茶の特徴をいくつかご紹介します。
香りが良い
土佐茶に共通してある特徴がさわやかな香り。香りの良さの秘密は蒸し時間です。土佐茶は、一般的な煎茶と比べると蒸し時間を短くする「浅蒸し製法」で作られることが多いです。そのため、茶葉本来の青々しくフレッシュな香りが残るのです。

旨みが強く濃厚な味わい
土佐茶のほとんどが10%以上の傾斜地で作られます。山間部は朝晩の気温差が激しいため、よく霧が発生し茶葉が日光に当たりすぎるのを防ぎます。これらの条件によって、茶葉に含まれる甘み・旨み成分のテアニンが多くなります。よって、できあがった土佐茶も甘みや旨みが強く、濃厚な味わいになるのです。
美しい黄金色の水色
土佐茶の水色は、深い緑色ではなく澄んだ黄金色に近いやわらかな色調が特徴的。これは高知県の山間地ならではの自然環境と丁寧な製茶技術によるものといえます。
土佐茶の味や香りについて
Xより、実際に土佐茶を飲んだ方の味や香りの感想を、いくつか紹介します。以下抜粋。
頂きものの沢渡さま 俺の番茶
香りが普洱生茶風、飲むと煙さ、あとから少し甘い香り
味は苦味がそこそこ、甘み、渋味かほんのり#茶好連 pic.twitter.com/dSrSe8G03l— 友福☭ (@yufuku_tea) December 26, 2017
2023年8月28日 沢渡茶(ビバ沢渡)
高知蔦屋書店で見つけた茶。
ひと冷ましの湯で1分。お茶といえばこの感じ。
金色透明、軽い渋味。
飲み慣れた茶の味と香に安心する。 pic.twitter.com/vpkI0IT4J9— お茶のススメ!朔 (@tea_saku) August 28, 2023
#新茶録2024
こんにちは🔆
思いがけず新茶のサンプルを頂きまして、今年初の新茶をいただきます🙏70℃で淹れてもほんのり苦味?渋味?を感じてびっくり😮爽やかで美味しい〜✨🌱池川茶業組合 初摘み茶#茶好連#木漏れ日のお茶会#好茶録#新茶(高知県) pic.twitter.com/J0z2agy93B
— 咲懿(美咲)|花押作家・書藝家 (@shoui_coretuner) May 3, 2024
若草園さんの土佐茶あかね🍃
メリハリのあるタイプで美味しい☺️少し熱めで淹れたけど、前半の渋み苦みもほどほどの良い感じです🍵後半は甘みがグッときます。前半後半の入れ替わりは早め🤔甘さがギュッと残る感じ。庭の花も少しずつ増え、次は何をしようかと飲みながら考えるのが楽しい😆🌸 #茶好連 pic.twitter.com/LKUWVvzJl2
— お茶好きの絵描き (@EkakiOcha) April 27, 2025
土佐茶のブランドによって味や香りは少し異なりますが、程良い渋味とまろやかな甘み・旨みの調和を感じる方が多いようです。
土佐茶の美味しい淹れ方
土佐茶の煎茶の淹れ方を解説します。
ホットの場合は、急須に茶葉を3gほど入れ、約80度に冷ましたお湯を注ぎます。60秒ほど置いたら完成です。濃厚な味わいがお好きな方は、90秒ほど煮出してください。
アイスでは、ポットに10gほどの茶葉とたっぷりの水を入れます。茶葉は不織布のティーバッグに入れると扱いやすいです。あとはそのまま冷蔵庫で数時間保管すればOK。低温でじっくり抽出することで、ホットとは違うまろやかな甘みを楽しめます。
まとめ
透明度の高い黄金の水色と、濃厚なコク、フレッシュな香りが楽しめる土佐茶。美しい清流や山間部特有の霧によって育まれる土佐茶には、この土地ならではの特別な味わいがあります。
すがすがしい土佐茶をぜひ一度お試しください。
山年園で販売している煎茶について
とげぬき地蔵茶
商品名 | とげぬき地蔵茶 |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 100gまたは200g |
原材料名 | 茶葉 |
原産地 | 日本[Made in Japan] 静岡県掛川市 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 当店限定の巣鴨とげぬき地蔵茶です。 参拝茶と比べて、茎を抜いてあり、渋い味が特徴的です(^-^) |


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