お茶の産地雑学

静岡茶の特徴と歴史について|日本の三大銘茶

静岡茶 茶葉お茶の産地

宇治茶、狭山茶と並ぶ日本の三大銘茶の1つである静岡茶。

茶摘み歌で「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」といわれるように、美しく澄んだ色が特徴です。

今回は静岡茶の特徴や魅力についてご紹介します。

静岡茶とは?

茶畑 静岡茶 富士山

静岡茶とは、静岡県で生産されるお茶です。

農林水産省の令和2年のデータによれば、お茶の栽培面積は静岡県がトップで、日本全体の40%も占めています。

荒茶の生産量も全国トップで、令和2年の生産量は25,200トンでした。これは全国の荒茶生産量の36%です。

参考:お茶のおもな産地はどこですか。:農林水産省
令和2年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量:農林水産省

静岡茶と八女茶、宇治茶、鹿児島茶の違い

日本茶には、静岡茶以外にもさまざまな銘柄があります。静岡茶とよく比較される銘柄を、いくつかピックアップしてご紹介します。

まず「八女茶(やめちゃ)」は、福岡県で作られるお茶です。じっくり時間をかけて茶葉を蒸すため、甘くてコクがある味わいを楽しめます。

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「宇治茶」は、京都・奈良・滋賀・三重の四府県産で、かつ京都府内の業者が府内で仕上加工したお茶を指します。

最初は渋味を感じ、あとから甘さとコクがくる深い味わいが特徴です。

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「鹿児島茶」は、鹿児島県で生産されるお茶です。味は旨味が強く濃厚です。

鹿児島県は静岡県に次いでお茶の生産量が国内第2位です。

鹿児島は温暖な気候で、3月末頃と国内でもっとも早い新茶といわれています。

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静岡茶の特徴

静岡茶の歴史

静岡にお茶が伝わってきたのは、鎌倉時代といわれています。

鎌倉時代に、静岡生まれの僧侶、聖一国師(しょういちこくし)が留学先の宋(中国)からお茶の種を持ち帰りました。

その種を現在の静岡市足久保に植えたのが、静岡茶の始まりといわれています。

温暖多雨でお茶栽培に適した気候や、お茶の消費地である首都圏に近かったことなどから、明治時代には静岡県の生産量は国内トップになりました。

静岡茶の新茶の時期

年や地域によって異なりますが、新茶の時期は概ね4月末から5月上旬です。

ちなみに、川根茶という静岡茶は、新茶の一番摘みが他の種類に比べて遅めといわれています。日照時間が少ない山間部で育つためです。

寒い冬を越えたばかりの新茶は栄養が豊富です。テアニン含有量も多く甘みや旨味が強いので、1年のうちでもっともおいしいお茶といわれています。

静岡茶に含まれる成分

静岡茶をはじめとする日本茶には、カフェイン、カテキン、テアニン、ビタミンCなどさまざまな成分が含まれています。

カフェインは、100mlあたり煎茶で0.02g、紅茶は0.03g、コーヒーは0.06gほど含まれています。カフェインの摂取量が気になる方は、水出しにするとカフェイン量を抑えられます。

テアニンはお茶の旨味成分です。玉露や抹茶など高級なお茶には特にテアニンが多く含まれています。静岡茶も水出しで作るとテアニンが多く抽出され、旨味の強いお茶になります。

静岡茶の種類(銘柄)

静岡茶 掛川茶

静岡茶は静岡県内の地域ごとに独自のブランド茶があります。特に、静岡三大地域ブランド茶とよばれる

・川根茶
・掛川茶
・本山茶

の3つは有名です。

この3つに天竜茶をプラスして、それぞれの特徴をご紹介します。

川根茶

静岡県中部の大井川流域で生産される静岡茶です。お茶の水色は美しい黄金色で、渋味が少ないさわやかな香りが人気のお茶です。

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掛川茶

静岡県中西部の掛川市で栽培される静岡茶です。苦味が少なく、甘くてまろやかな風味です。甘く濃厚なお茶が好みの方におすすめです。

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本山茶

静岡県中部の安倍川上流域で作られる静岡茶です。甘みと旨味、苦味が絶妙に調和した味わいは「天然の玉露」ともよばれ、徳川家康も愛飲していたといわれています。

静岡茶はこれら4つの他にも、朝比奈茶、足久保茶、みくりや茶、牧ノ原茶……などさまざまな種類があります。いろいろと飲み比べてみても楽しいですよ。

天竜茶

浜松市の北側に位置する天竜区で栽培される静岡茶です。緑豊かな天竜区で育つ天竜茶は、透き通った若葉色の水色と、渋味のあるしっかりした味わいが特徴です。

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静岡茶の味について

静岡茶 水出し

静岡茶を飲んだ方の味の感想を、Twitterから抜粋してご紹介します。

静岡茶の入れ方

静岡茶 入れ方

静岡茶はホットでもアイスでもおいしく飲めます。

ホットなら、急須に静岡茶の茶葉を10g(大さじ2杯ほど)を入れて、お湯を注ぎます。熱湯を注ぐとカテキンが抽出されすぎて苦くなるため、必ず70~80度ほどに冷ましてから注ぎましょう。

あとは1分ほど待ってから茶碗に注げばOK。二煎目を入れるときは、10秒ほど待って注ぎます。

アイスでは、静岡茶の茶葉を不織布のお茶パックなどに入れます。そのパックを水と一緒にポットに入れて、冷蔵庫で数時間置いておけばOKです。

水1リットルに対して茶葉10gくらいが目安です。

お茶に含まれるカフェインやカテキンは熱いお湯で抽出されやすいので、水出しにすることで抑えられます。反対に旨味成分のテアニンは低温でよく抽出されます。

その結果、渋味や苦味が少なく、甘みのあるお茶ができます。甘めのお茶が好みの方は、ぜひ水出しの静岡茶も試してみてください。

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山年園が提供する静岡茶について

当店でも静岡茶を取り扱っています。

当店人気の巣鴨参拝茶は、掛川産の深蒸し茶を使っていて、様々なテレビ・メディアでも取り上げられるほどの定番商品です。

そのほか、弊社限定商品であるとげぬき地蔵茶も掛川茶を使用。

ぜひ、ご家庭でも本格的な静岡茶をご賞味ください。

巣鴨 参拝茶

掛川茶 参拝茶

巣鴨 参拝茶の購入はこちら

とげぬき地蔵茶

掛川茶 とげぬき地蔵茶
商品名とげぬき地蔵茶
商品区分飲料
内容量【1袋あたりの内容量】
100gまたは200g
原材料名茶葉
原産地日本[Made in Japan] 静岡県掛川市
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約12ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言当店限定の巣鴨とげぬき地蔵茶です。
参拝茶と比べて、茎を抜いてあり、渋い味が特徴的です(^-^)

とげぬき地蔵茶の購入はこちら

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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