ジャスミン茶は、ジャスミン特有の華やかな香りが人気の中国茶です。このジャスミン茶とよく比較されるのが、沖縄県の「さんぴん茶」です。ジャスミン茶とさんぴん茶はまったく同じものなのか、迷う方も多いようですが、果たして実際はどうなのでしょうか?
本記事では、さんぴん茶とジャスミン茶の違いをわかりやすく解説します。
さんぴん茶とは?
さんぴん茶とは、沖縄県でよく飲まれているお茶で、烏龍茶にジャスミンの花の香りを付けたもの。ベースとなるお茶は烏龍茶が多いですが、たまに緑茶を使うさんぴん茶もあります。
さんぴん茶という名前は、中国でのジャスミン茶の呼び名である「香片(シャンピエン)」からきているといわれています。
烏龍茶にジャスミンの香りがプラスされることで飲みやすくなり、沖縄そばやゴーヤーチャンプルーなど沖縄料理とも相性抜群。脂っぽい料理も、すっきりしたさんぴん茶を一緒に飲むことで食べやすくなります。そのため、沖縄県では日常的に親しまれている大切なお茶です。
ジャスミン茶とは?
ジャスミン茶は、緑茶にジャスミンの花の香りを付けたお茶です。よく間違われることがありますが、ジャスミンの葉を乾燥させたお茶ではありません。

ベースとなる緑茶は、日本の緑茶ではなく中国緑茶です。日本の緑茶は茶葉を蒸して加熱することが多いのですが、中国緑茶は茶葉を釜の中で炒って加熱します。こうすることで、釜炒り特有の香ばしさが生まれます。日本の緑茶に比べて渋みも少なく、すっきりした味わいです。
ちなみに、ジャスミン茶のように花を使った中国茶は、花茶(はなちゃ)とよばれます。

さんぴん茶とジャスミン茶の違いについて
さんぴん茶とジャスミン茶は、両方ともベースとなるお茶にジャスミンの香りを移したものです。一方で、両者にはさまざまな違いがあります。
さんぴん茶とジャスミン茶の違いを、項目ごとに比較します。
原料
基本的にベースとなるお茶は、さんぴん茶は烏龍茶、ジャスミン茶は緑茶です。ただし、反対にさんぴん茶でも緑茶を使ったり、ジャスミン茶でも烏龍茶を使ったりすることもあります。
見た目・水色
ベースのお茶が異なるため、お茶を入れた際の水色にも違いがあります。烏龍茶ベースのさんぴん茶は、赤褐色~茶色で、ジャスミン茶は薄い黄金色です。
カフェイン量
カフェイン量は、さんぴん茶もジャスミン茶もあまり差がないといえます。さんぴん茶のベースである烏龍茶と、ジャスミン茶のベースの緑茶は、どちらもカフェイン含有量が20mg(お茶100mlあたり)ほどです。
産地
産地にも違いがあります。さんぴん茶は沖縄県で、ジャスミン茶は中国南部にある福建省エリアが主な産地です。
発酵度合い
茶葉の発酵度合いも大きく異なります。さんぴん茶は半発酵茶、ジャスミン茶は不発酵茶です。
さんぴん茶の半発酵茶とは、茶葉が完全に発酵しきる前に途中で発酵を止めたお茶のこと。半発酵茶の代表は烏龍茶です。

一方、ジャスミン茶の不発酵茶とは、文字通りまったく発酵させないお茶です。不発酵茶といえば、基本的には緑茶を指します。摘んだ茶葉をすぐに加熱して発酵を止めるので、生の茶葉の美しい緑色や、フレッシュな香りが残ります。

味や香り
製品にもよりますが、基本的にはさんぴん茶のほうがまろやかで優しい味わいで、ジャスミン茶はほのかに渋みを感じるキリッとした味わいです。ここでは、実際にさんぴん茶とジャスミン茶を飲んだ方の味や香りの感想を、Xよりいくつか抜粋してご紹介します。
まずはさんぴん茶から。
沖縄物産店で買ったさんぴん茶がおいしい❗
さんぴんの語源はジャスミンらしい。
ジャスミンティー(緑茶)よりジャスミン感(?)を抑えてスモーキーさとメントール感増した感じでスッキリ美味しい❗夏にぴったり😊 pic.twitter.com/swdwfBkgzD— ∠たーこいず (@2wAwRyP22pXciZn) July 2, 2025
さんぴん茶おいしいよねぇ🤤✨
気持ちジャスミン茶よりまろやかで優しい味わい☺️ありがとう!
めちゃくちゃ楽しかった〜❣️— もふこ (@mofu_mofuco) March 10, 2025
このさんぴん茶、栗みたいなまろやかな甘みを感じる pic.twitter.com/AI6UwrJ23F
— ん (@ohsmokesister) September 28, 2024
続いてジャスミン茶です。
甜甜印象さんの碧螺飄雪
ウチの四川省のお茶はちょっとおすすめ!とのことで買ってきた碧螺飄雪。
おぉ、透き通って凛としたジャスミン茶。
かなり華やか。甘味があるけど渋味が引き締めてる。月餅食べたくなった。きっと合う。 pic.twitter.com/uMhGOg555k— SOLAMAME (@SOLAMAME5) June 12, 2025
上海でずっと水代わりに飲んでたジャスミン茶。
めちゃくちゃスッキリ味で美味い。 pic.twitter.com/85PHndvB7j— orgone (@orgone001) July 10, 2025
やはり、さんぴん茶はジャスミン茶と比べるとおだやかな風味で、ジャスミン茶はすっきり華やかな香りを感じる方が多いようですね。
なぜ、さんぴん茶とジャスミン茶は混同されやすいのか
このように、さんぴん茶とジャスミン茶は、似ていながらもさまざまな違いが見受けられます。
一方で、さんぴん茶にジャスミンの香りが付いていることから、「さんぴん茶=ジャスミン茶」と定義する方もいます。ジャスミン茶を「ジャスミンで香りづけしたお茶の総称」と定義するならば、さんぴん茶もジャスミン茶の一種といえるでしょう。
加えて、「さんぴん茶」が沖縄独自の呼び方であることも、両者が混同されやすい理由の1つといえそうです。
さんぴん茶とジャスミン茶の美味しい入れ方
最後に、さんぴん茶とジャスミン茶、それぞれ美味しい入れ方を解説します。どちらも茶葉は3~5gほどが目安ですが、濃い味わいがお好みの方はもっと増やしてもOKです。
さんぴん茶
急須にさんぴん茶の茶葉を入れます。80~90度ほどのお湯を注ぎ、蓋をして3~5分ほど浸出させれば完成です。
浸出時間を短めにすると、渋みが少なくあっさりした味わいになります。反対に、長めに浸出させると濃厚な味わいになるので、時間はお好みで調整してください。同じ茶葉で4煎目くらいまで入れられます。
ジャスミン茶
ティーポットにジャスミン茶の茶葉を入れます。そこに沸騰したての熱湯を注ぎます。熱湯を入れることで、ジャスミンの香りが際立つのでおすすめ。ティーポットに蓋をして、1~2分ほど蒸らせば完成です。
ジャスミン茶をはじめとする中国茶は、同じ茶葉で5煎、6煎と何度も楽しめるのがポイント。回数を増すごとに、微妙に変化していくジャスミン茶の風味をお楽しみください。

山年園で販売しているジャスミン茶について
山年園限定のジャスミン茶は、丁寧に手摘みされた新茶の緑茶に、ジャスミンの花の香りを移したお茶です。何度もジャスミンの花を茶葉に重ねて作られるため、しっかりした華やかな香りを感じられます。
一口飲むとふわっとジャスミンが香り、リフレッシュやリラックスタイムにぴったりのお茶です。
ジャスミン茶
商品名 | ジャスミン茶 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 100g |
原材料名 | 緑茶、ジャスミン花 |
保存方法 | 高温多湿を避け湿気に注意 |
使用上の注意 | お早めにお召し上がりください |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 老舗のお茶屋がこだわり抜いた特級 ジャスミン茶を是非ご賞味ください(^-^)/ |


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