かぶせ茶とは、煎茶と玉露の中間に位置するお茶で玉露と同じように被覆栽培によって作られます。
本日は、このかぶせ茶の知られざる魅力、美味しい入れ方についてご紹介します!
かぶせ茶とは?
かぶせ茶は、「冠茶」と書きます。
煎茶と玉露の中間に位置するお茶で玉露と同じく、わら,むしろ,寒冷紗などを使って被せる被覆栽培によって作られます。
全国茶生産団体連合会が行った「平成29年茶種別生産実績」によれば、国内の紅茶などその他お茶を含むお茶生産量が80,242tに対し、かぶせ茶は、3,763tになっています。
そのうち、生産量が多いのは三重県で、お茶生産地で有名な京都や静岡を抜き、2,469tと圧倒的な生産量を誇ります。
特に三重県の中でも、伊勢、四日市、鈴鹿などがかぶせ茶の生産地として有名です。
かぶせ茶と玉露の違いは?
かぶせ茶と玉露の大きな違いは、被覆の期間です。
玉露は20〜30日ほど被覆栽培を行うのに対し、かぶせ茶は1週間〜2週間程度です。
このような特性から、よく煎茶と玉露の中間に位置するお茶と評されます。
低い温度で入れると玉露のような独特な甘みが、高い温度で入れると煎茶のような渋みが出て、どちらのお茶の良いとこ取りをしたお茶です。
かぶせ茶に含まれる栄養成分
かぶせ茶に含まれる代表的な栄養成分について、いくつかご紹介します。
テアニン
日光を遮断することで、旨味成分であるアミノ酸の一種、テアニンがカテキンに変わるのを防ぎます。
玉露と同じく、お茶の旨味を感じるのはこのテアニンが多く残っているためです。
カフェイン
かぶせ茶は玉露と同じくカフェインが多く含まれています。
日本食品標準成分表 2015年版(七訂)によれば、玉露に含まれるカフェインは160mgでコーヒーよりも含有量が多いです。
かぶせ茶のカフェイン含有量に関して詳しいデータはありませんが、玉露同等、またはそれに近い量含まれていると思った方が良いでしょう。
もちろん、販売先や商品によって含有量が異なるので、気になる方は事前に各商品メーカーに問い合わせましょう。
かぶせ茶の美味しい入れ方
最後に、かぶせ茶の美味しい入れ方についてご紹介します。
かぶせ茶の適温は?
かぶせ茶は、玉露のように50度前後で入れても、煎茶のように70〜80度で入れても、美味しく飲めるのが一番の特徴です。
1煎目は低め、2煎目は高めなど、いろいろな楽しみ方ができるお茶です。
甘み・旨味を引き出したい場合
急須から湯呑みまたは湯冷ましに入れて少しお湯の温度を下げます。
急須に茶葉を入れて、60℃になったお湯を注ぎます。
90秒〜120秒時間を置いたら、各湯呑みに回し注ぎをします。
苦味・渋みを引き出したい場合
急須から湯呑みまたは湯冷ましに入れて少しお湯の温度を下げます。
急須に茶葉を入れて、80℃になったお湯を注ぎます。
40秒〜60秒経ったら、サッと各湯呑みに回し注ぎをします。
まとめ
かぶせ茶は、急須に入れて飲むのも美味しいですが、夏は水出し・氷出しにして飲むと、旨味がさらに引き立ち、より味わい深くなります。
いろんな味を試したいという方は、いろいろな温度で入れて、かぶせ茶を楽しんでみましょう。




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