近年「和ハーブ」に注目が集まっています。
和ハーブは、日本人の暮らしに根付く身近な存在です。
この記事では、和ハーブの基本的な知識と具体的な使い方についてご紹介します。
和ハーブとは?
ハーブは香草とも書き、古くから食用、薬用、香り付け、染め物などとして活用されてきました。
日本人にも馴染み深いハーブは、ハーブティーにも使われるミントやローズマリーです。
日本原産のハーブは「和ハーブ」と呼び、代表的なものだとしそやよもぎ、生姜が挙げられます。
一般社団法人和ハーブ協会では、日本原産かつ、江戸時代より前に自生していた有用植物を「和ハーブ」と定義しています。
「身土不二」と「一物全体」の考え方
和ハーブを理解するときに大切な考え方があります。それが「身土不二」と「一物全体」です。
身土不二
「身土不二」は「自分が生まれ育った場所で育ったものを食べる」という考え方です。
例えば、寒い国では体を温めるためにジャガイモを食べたり、暑い国では体を冷やすバナナやトマトなどを食べます。
土地と季節に合った食材を食べることで、気候や風土に順応し、調子を整えることができます。
最近よく耳にする地産地消という考え方も、「その土地で育て、その土地で消費する」ということなので、本質の部分では近いです。
一物全体
「一物全体」は「食材を丸ごと食べる」という考え方です。
茎や葉、根、皮などを捨てずに丸ごと食べて、食材の生命力をそのまま取り入れます。
海外では「ホールフード(Whole Food)」という言葉で浸透しています。
この雑草も?和ハーブの種類
代表的な和ハーブを7種類ピックアップします。
それぞれの歴史、どのように使われているかまとめました。
1.しそ(紫蘇)
シソ科・シソ属の植物で、「大葉」とも呼ばれます。
梅干しの着色に使われていることで有名です。
乾燥した葉っぱは、ソヨウ(紫蘇葉)という生薬で販売されています。
2.よもぎ
生命力が強くどんな環境でも育つよもぎはキク科の植物です。
よもぎは草餅やお灸のもぐさなどに使われます。
昔は魔除けとして、よもぎの葉を軒先に吊るしていました。


3.クロモジ(黒文字)
クスノキ科のクロモジは山に自生する木です。
若い枝は高級楊枝の材料にも。
非常に良い芳香を放つため、かつては石けん、香料などに使われました。
現在でも、アロマオイルやエッセンシャルオイルの原料として使われます。


4.どくだみ
昔は、之布岐(シブキ)と呼ばれていましたが、「毒を止める」という意味を持つ「毒を矯める」が変化し、「毒矯み(どくだみ)」になったと言われています。
乾燥させたものは、十薬(じゅうやく)という名前で生薬として販売されています。


5.スギナ
スギナは「ツクシ」の葉っぱの部分です。
生命力と繁殖力がとても強く、駆除に手を焼く人も。
現在は「スギナ茶」として親しまれています。


6.カキドオシ
シソ科の植物であるカキドオシは、山菜やお茶として親しまれています。
生薬として「レンセンソウ」や「カントリソウ」という別名もあります。


7.ウラジロガシ(裏白樫)
ウラジロガシは10m以上に成長するブナ科の木です。
数が少なく、国の天然記念物に指定されている木々もあります。
四国の徳島地方では、昔から民間薬として使われていました。


和ハーブをもっと身近に感じる使い方
和ハーブは様々な使い方ができます。
今回は4つの使い方で、和ハーブを生活に取り入れる方法を紹介します。
1.入浴剤
入浴剤の和ハーブとして最も親しみがあるのは「ゆず湯」です。
端午の節句では伝統の菖蒲を切って浮かべた「菖蒲湯」や、よもぎの煮出し汁を入れた「よもぎ湯」なども有名です。
2.香り付け
和ハーブは、特に和の料理と相性バツグン。
クロモジ(黒文字)は、木くずや乾燥させた葉っぱをティーパックにつめて、お肉と一緒に煮込んだり、またカレーの隠し味にもおすすめ。
3.お茶・ドリンク
和ハーブを煮出したり、水出ししたりすれば、お茶として飲むこともできます。
複数の和ハーブをブレンドして作れば、栄養をまるごと摂取できるからオトクです。
4.香り袋
和ハーブを「サシェ」という小袋に入れて、自然な香りを楽しむ方法です。
ヒノキや白檀、沈香といった「香木」の歴史は平安時代にまで遡り、仏教の儀式で使われたり貴族が香りを楽しんだりしていました。
枕や靴箱などに置くのがおすすめ。
まとめ
今回は日本の伝統的な「和ハーブ」を紹介しました。
ハーブと聞くと扱いが難しく感じますが、日本では昔から庶民に親しまれていた身近な存在です。
今回お伝えした方法で、和ハーブを料理、香料として使ってみては?
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