全国有数のお茶の名産地である静岡県では、県内の地域ごとにさまざまなお茶ブランドがあります。なかでも、深蒸し茶で有名なのが掛川市です。
今回は、「掛川深蒸し茶」をご紹介します。
掛川深蒸し茶とは?
掛川深蒸し茶とは、静岡県の掛川市で生産されるお茶です。掛川市で作られるお茶は、掛川茶(かけがわちゃ)とよばれ、静岡茶のブランドの1つでもあります。
掛川茶は深蒸し茶が多いことで有名です。深蒸し茶とは、通常よりも茶葉の蒸し時間を長くして作られるお茶のこと。渋みが少なく、やわらかな甘みを感じられます。
掛川深蒸し茶は、その味や香りの良さから、さまざまな茶品評会でも何度も受賞しています。
掛川茶の歴史
掛川市近辺でのお茶の栽培は、450年ほど前から始まったといわれています。
1572年(元亀3年)頃に、掛川市の和田岡にあるお寺の改築のため、檀徒(だんと=檀家の人)たちが京都に行きました。その京都でお茶の種を入手し、掛川市に戻って地元で栽培を始めたのが最初といわれています。
そのあと1600年(慶長5年)には、当時の掛川城主であった山内一豊(やまうちかずとよ)が、徳川家康に掛川茶を献上したとの記録もあるようです。当時から掛川茶の品質が高かったことがうかがえます。
そして1860年(安政7年/万延元年)頃には、日本のお茶を海外に輸出できるようになりました。それに伴い、掛川市内でもお茶の生産が急速にさかんになったといわれています。

深蒸し製法の誕生と発展
深蒸し製法は、掛川市もある静岡県の、牧之原台地(まきのはらだいち)周辺が発祥といわれています。
島田市・菊川市・牧之原市にまたがる牧之原台地は、今でこそ有名なお茶産地として豊かな茶園が広がっていますが、もともとは荒地でした。そこで収穫された茶葉は厚みがあって硬く、渋みや苦みも強くて、あまり美味しいお茶にはならなかったようです。
そこで、菊川市のとある茶農園が生み出したのが、通常よりも長い時間茶葉を蒸す製法。深蒸しするようになったことで、お茶の渋みが減り、まろやかで美味しくなったといわれています。

掛川深蒸し茶の特徴
掛川深蒸し茶は、深蒸しならではの特徴があります。掛川深蒸し茶の特徴をいくつか解説します。
渋みが少なくまろやかな味わい
茶葉を深蒸しにすることで、渋みや苦みが少なく、甘くまろやかな味になります。濃厚なコクも感じられます。甘みや旨みが強いので、水出しでアイスティーにするのもおすすめ。
濃厚で美しい水色
深蒸し茶は、長く蒸す工程で茶葉がパラパラに細かくなって溶けだすので、水色は濃く鮮やかな緑色になります。
茶葉まるごと摂取できる
茶葉は時間をかけて十分に蒸すことで、茶葉の組織がほぐれて細かい粉状になります。よって、ある程度大きさのある茶葉よりも、茶葉に含まれる栄養成分を余すことなく摂取しやすくなります。
葉肉が厚い
そもそも掛川茶の茶葉は、他の地域のお茶に比べて厚みがありしっかりしています。厚みのある茶葉は、深蒸し茶にするのに適しています。
掛川深蒸し茶の味や香りについて
Xより、掛川深蒸し茶を飲んだ方の味の感想を、いくつかピックアップしてご紹介します。掛川深蒸し茶の味の参考にしてみてください。
東京都江東区丸玉園、掛川の深蒸し茶の一番値段が高いものです
7g/5℃/80ml/5min
淹れる時には茶葉を動かさないです。
りんごやいちごのような豊かな果実香がします。
強い甘味と旨味、わずかな渋みを感じます。#茶好連 pic.twitter.com/sdY7aemnc4— 茶猟虎(ちゃらっこ) (@rakkosatetya) February 14, 2025
日本茶きみくら の「掛川茶 伝統製法深蒸し茶」ペットボトルを開封。渋みは控えめで、後味が甘く、既存のペットボトルとは一味違う味付けで良いかも。深蒸しながらあまり沈殿しないのがすごい。24年12月発売の新商品で、きみくら、静岡県内のJR売店、新幹線グリーン車等で販売のようです。#茶好連 pic.twitter.com/bStaYGbJ07
— キュース・ベイダー (@kyusu_vader) February 21, 2025
2024年7月1日 掛川茶(喜作園 牧之原工場)
ふじのくに茶の都ミュージアム「静岡茶辞典」より掛川茶。深蒸し茶。
ひと冷ましして淹れる。
甘味と軽い渋味が後に残る。 pic.twitter.com/Z4RDaK1eJe— お茶のススメ!朔 (@tea_saku) July 1, 2024
本日のお茶は掛川深蒸し茶。
ほどよい渋み、どっしりとしたお茶の味わい。
目覚めに効くね。おはようございます😃 pic.twitter.com/yegg99HJps
— 恵喜どうこ@公募がんばります (@saki030610) November 9, 2024
今日は休肝日❗️
佐々木製茶さんの深蒸し掛川茶「かごよせ」を早速淹れて、牧之原の朝採り紅ほっぺと一緒に😊
緑茶好きでいろんなお茶屋さんの買っちゃあ呑んできたんですが、最終的に行き着いたのが掛川深蒸し茶🌱
その中でも佐々木製茶さんのはホント渋みなく柔らかくて1番美味いんよ…🥰#佐々木製茶 pic.twitter.com/1Cd1rsRR06— 魚屋TA20008 (@AnzTomo) January 15, 2025
やはり、深蒸し茶ならではのマイルドな甘みを感じる方が多いようです。甘みやコクがありながら渋みは少ないので、とても飲みやすいお茶といえます。
掛川深蒸し茶の美味しい淹れ方・入れ方
掛川深蒸し茶の美味しい淹れ方を、ホットとアイスそれぞれでご紹介します。
ホットの場合
急須に掛川深蒸し茶の茶葉を4gほど入れ、75~80度ほどに少し冷ましたお湯を注ぎます。熱湯を注いでしまうと、せっかくの深蒸し茶の甘みや旨みが十分に抽出されないので、80度ほどの少し冷ましたお湯にするのがポイント。
あとは急須に蓋をして、30~40秒ほどおけばOKです。深蒸し茶は茶葉が細かくお湯に溶け出しやすいので、短めの時間サッと浸出させましょう。湯呑みに注ぐときは、最後の一滴まで十分に注ぎ切ることで、二煎目からも美味しく楽しめます。
アイスの場合
ポットにたっぷりの水と、掛川深蒸し茶の茶葉を15gほど一緒に入れます。茶葉は、不織布のお茶パックなどに入れましょう。あとはポットごと冷蔵庫に入れ、一晩おいておきます。
低温で時間をかけてじっくり浸出させることで、深蒸し茶の特徴であるまろやかな甘みがたっぷり引き出されます。
山年園で販売している掛川深蒸し茶について
山年園で販売している「掛川深蒸し 巣鴨参拝茶」は、当店の数ある商品のなかでも特に人気の高いお茶です。深蒸しならではのマイルドな甘みとコク、程良い渋みを感じられ、どなたでも飲みやすいお茶に仕上げました。ホットでもアイスでも美味しくお飲みいただける、当店自慢の一品です。
掛川深蒸し 巣鴨参拝茶
商品名 | 巣鴨 参拝茶 |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【一袋あたりの内容量】 100g |
原材料名 | 茶葉 |
原産地 | 日本[Made in Japan] 静岡県掛川市 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 実店舗では圧倒的に1番人気のお茶です!! 豊島区民が選んだ「豊島の名品50選」に選ばれております。 この味でこの価格のお茶は参拝茶だけとお客様によく言われます。 是非お試しください(^-^) |
掛川深蒸し茶(特選ブラック)
商品名 | 掛川深蒸し茶(特選ブラック) |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 100g |
原産地 | 日本産 静岡県掛川市 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 掛川市東山地区で摘まれた深蒸し茶。品種はヤブキタ100%で香ばしさとコクの中に渋みと苦味を持っています。 |


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