一番茶、二番茶のほかに、秋冬番茶と呼ばれる番茶があるのをご存知ですか?
秋冬番茶はその名の通り、晩秋にとられた茶葉を使ったお茶のことです。
さっぱり・すっきりした味わいでカフェインも少なく、高齢の方、カフェインが苦手な方にとても好評です。
本記事では、秋冬番茶の特徴や美味しい入れ方などについて、詳しく解説していきます。
秋冬番茶とは?
秋冬番茶とは?
秋冬番茶とは、「秋から冬に移り変わる時期」に摘み取られた新芽で作るお茶のこと。
秋冬と書いて「しゅうとう」と読みます。
一般的に、お茶は新芽が伸びてきたタイミングで摘採し生産が始まります。
お茶の生産時期は1年の間に「4回」あり、生産時期が早いものから順に一番茶、ニ番茶、三番茶、四番茶と呼ばれています。
秋冬番茶はその中でも三番茶に当たる芽を摘まずにそのまま伸ばして、四番茶の芽が摘まれる時期に一緒に摘採したものから生産されるお茶です。
また、お茶は早い時期に摘まれたものが最も品質が良く価値が高いです。
そのため、翌年の一番茶の品質維持のため、三番茶以降は摘み取らない茶園も多く、秋冬番茶は他の番茶と比べても生産量が少ないとされています。
秋冬番茶の主な産地
秋冬番茶の産地で有名なのは以下の3つの地域です。
・お茶を作るのに好条件の地「佐賀県嬉野市」
・緑茶の発祥の地とも呼ばれている「京都府宇治田原町」
等
秋冬番茶の時期
秋冬番茶は、毎年9月下旬から10月上旬頃に摘採された芽で作られます。
以下の表の通り、時期では四番茶と同じですが、4回目に摘採されるお茶を四番茶、3回目の摘採を行わず4回目にまとめて摘採されたお茶を秋冬番茶と区別しています。
秋冬番茶に含まれている成分
次に、秋冬番茶に含まれる成分について。
秋冬番茶には主に以下のような成分が含まれています。
ポリサッカライド
ポリサッカライドは一般的に多糖類と呼ばれています。
秋冬番茶は、他の番茶や煎茶に比べてもポリサッカライドを1番多く含んでおり、その量は一般的な煎茶のおよそ4.5倍と言われています。
また、ポリサッカライドは熱に弱いため、多く摂取したい場合は水出しにして飲むと良いです。
カテキン
ポリフェノールの一種で、お茶の苦味成分とも呼ばれています。
生育環境や栽培方法によって、どの種類のお茶がカテキンが多いなど一概に言えませんが、一般的には一番茶、二番茶と時期が経つほどカテキンが多くなると言われています。
ビタミン類
一般的な煎茶にはビタミンA、ビタミンB、ビタミンCが含まれていて、番茶・秋冬番茶には特にビタミンDが多く含まれています。
食材だけでは摂取しきれない分のビタミンDを手軽にお茶で補えるという点では非常にオトクです。
秋冬番茶はカフェインの量は少ない?
秋冬番茶は他の番茶に比べてもカフェインの量が少ないと言われています。
一般的な煎茶などの日本茶は100mlあたり20mg含まれているのに対し、秋冬番茶は100mlあたり10mgと、就寝前や小さな子どもでも安心して飲むことができます。
また、冷水で作ることでカフェインの抽出をさらに抑えることができるため、カフェインが少しでも気になる方は冷水で作るのがおすすめです。
秋冬番茶をより美味しくする入れ方
最後に秋冬番茶をより美味しくする入れ方についてご紹介します。
秋冬番茶をより効果的に飲むためには、熱に弱いポリサッカライドを活かす「水出し」がおすすめです。
用意するもの
・水 1L
・冷水筒
・茶こし
入れ方
冷水筒の中に秋冬番茶30gと水1Lを入れ、軽く混ぜて冷蔵庫の中で数時間置きます。よく振ったら、茶こしで濾します。
作り置きはせずに、できたお茶はその日のうちに飲みきりましょう。
まとめ
秋冬番茶の特徴や美味しい入れ方についてご紹介しました。
カフェイン量が少ないので夜のリラックスタイムにもぴったり。
他の番茶では味わえないすっきりとした風味を一度味わってみてはいかがでしょうか。
ちなみに当社でも、秋冬番茶の販売をしております。
山年園で販売している秋冬番茶は、掛川産の三番秋冬番茶、天竜川社山(やしろやま)産の四番秋冬番茶の2種類。
すっきりとした味わいが特徴的です。
ぜひご購入の方は下記よりどうぞ。
秋冬番茶はこちらから
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